Gottesmorder ‐‐Review‐‐

現Magdalene、ex-Violentbreakfast、Chambers、Seicentodiciottoのメンバーが結成したイタリアン・ポストブラックメタル・トリオ。


gottesmorder

Gottesmorder(2011)

   現Magdalene、ex-Violentbreakfast、Chambers、Seicentodiciottoのメンバーが結成したイタリアン・ポストブラックメタル・トリオによる1st EP。幣サイトではお馴染みのTokyo Jupiter Recordsより「TOKYO JUPITER exclusive CDR series vol.3」 として25枚限定でリリースされた(既に完売)。EPのミックス・マスタリングは同じイタリアの最重激音バンド、Lentoのメンバーが手掛けている。

 毎回この紹介から入るのもあれだが、このバンドもTokyo Jupiterコンピに参加していて、その時はSourthen Lord系列に影響が顕著なブラックメタルを掻き鳴らしているなあという印象を受けた。つまりは寒々しいリフで切り裂いては疾走、その隙間では憂いだメロディやアンビエントも盛り込んでポスト・ブラックメタルの現行シーンと共振している形といったところか。本作では2曲25分に次回作のプレビューとなる完全未発表のアンビエントトラックを収録した3曲30分で、Wolves in the Throne RoomやAltar of Plaguesといったポストブラックメタル勢に迫るような神々しいアグレッションを持った楽曲を造形している。そんな荘厳ともいえる領域にまで押し上げられた本作のインパクトは大きい。

 始まりの14分越えの#1「Winternight」からして大きな成長を如実に感じさせる。意識にすっと入りこむようなアンビエントから轟音の壁が徐々に立ち上がっていく大仰な幕開けから、ブラックメタルらしからぬ太いシャウトとトレモロが炸裂しては怒涛の疾走をみせる。途中で虚無感たっぷりのメロディを鳴らしては退廃ムードと緊張感を高め、さらに静動/強弱/緩急を巧みに用いながら空間性とドラマ性を存分に引き出す。その構成力の高い楽曲は、それこそWolves in the Throne Roomを髣髴とさせるもの。ポスト・ブラックメタルなカラーをさらに発揮した#2「Abyss of Throats」ではメロウな旋律と緊迫感を持った轟音が共生しながら、世界的暗黒と光を見出していく。ここでは冷たくも烈しい音が鳴らされているわけだが、決して殺気だったものではない。要所に美麗なメロディを配して、鬱屈とした空気はあるが神々しい音世界を切り拓いている。そして、このあとのインスト#3もそうだが、アンビエントという要素を重視している点も聴きどころといえるだろう。前衛的な音造りで先人達を追い越そうという姿勢が感じられる。

 既にGottesmorderはLiturgy, Raein, Altar of Plaguesといった強者達とも共演を果たしており、有望株としての期待も大きいようだ。ブラックメタルらしいアグレッションの旨味を血肉化しつつもここまでの雄大さと神秘性を獲得した本作を聴いて、個人的にも期待は大きく高まった。是非とも耳にしてほしいイタリアの新星である。

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