Hauptharmonie (ハウプトハルモニー) ‐‐Review‐‐

2014年結成。仲睦まじく行儀良く、音楽に遊ぶ5人組の『戦国時代を知らないアイドルたち』をテーマに活動するアイドル・グループ。2015年7月に待望の1stフルアルバム『Hauptharmonie』を発表。


Hauptharmonie

Hauptharmonie(2015)

 TOKYO BOOTLEGを主催するあーりー(DJ O-ant)がプロデュースを手掛ける5人組、通称:ハルモニーの1stフルアルバム。お昼休みにかぎらず、ウキウキ・リスニングしたくなるおもしろい作品であります。ototoyさんによるインタビューを参照させていただくと、BABYMETALやBiS等のラウド系を黒とするなら、ハルモニーは”白いロック”をコンセプトとして明確に打ち出してプロデュースされている。ジャケットがそれを物語っていると言えるでしょうか。

 佐藤将文(UNCHAIN)や坪井敦士(fifi)、ミナミトモヤなどが作曲し、Ruppa(KAGERO)等が演奏で参加。ボリューム満点の全16曲を収めた本作は、フジロックで鳴っている音楽/バンドをイメージした楽曲を揃えているという。具体的にはギターポップやスカやエモ等を中心。ヴィジュアル系の要素も一応は、かわいた風のようにからませてあるらしい。そういった様々なジャンルの境界線を自由にまたいでの涼やかで麗らかなサウンドは、従来のアイドル・グループとは別の隙間をつついている。まあ、音楽好きホイホイは間違いないところだが(笑)。それにユニゾンは極力避け、5人の歌声を繋いでいく形でアイドル・ソングとして成り立たせていることも彼女達の特徴のひとつだ。

 昨年にリリースの1stシングルである煌々とした疾走ギターロック#2「映ゆ」にて心が躍り、体が踊れば、あとはトキメキのままに身を預けて聴き進めていけばいい。軽快なギターサウンドとともに青春が蘇る#3「(the garden was alive with)~」、一気にファンシーな空気が流れこむ#5「ナイトプロポーズ」、ストリングス入りの壮大なUKロック風味#7「My Tiny Baby」、(おそらく後期の)Promise Ringを意識したらしい#8「瞬きのSummer End」、The Radio Dept.っぽい感じのする#11「Calmmaze」など。気付けば、良質な楽曲達に恋している。#12「ニコラウス・クノップ・プラッツ 」にて『ハルモニーに恋して』と歌う彼女達の目論見通りにね。ほぼ3分~4分台で推移していく流れの良さもお見事。

 その中でもスカの要素を押し出した楽曲が特に印象的で、イントロのリズミカルなドラムとサックスの絡みから小踊りしたくなる#4「Tempting 10 Attempts of Temperance 」が素晴らしい。この曲の”KとIとSとSの魔法”によって、いろいろな突破口を開いていきそうな予感がある。そして、フリージャズとヘヴィロックの戦争が巻き起こったかのような#14「Caterwaul」においては狂った黒さがはみ出すが、ライヴの狂騒が浮かんできてクセになっちゃいそう。

 実りある未来を歌うキラキラ系卒業ソング#15「HER HERB’S HARVEST」の蒼い情熱がまた心を動かす。狙いすぎな部分は当然あるにせよ、”たくさんの色が重なってできた透き通るような白”が幅広い音楽性を有した全16曲を通して表現されている印象は強い。そして、彼女達もまたアイドルというフィルターを通して、音楽の楽しさを存分に伝えてくれる。そんな苗場式ポップミュージアム。

 

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