Hella ‐‐Review‐‐

カリフォルニアの奇天烈ポストハードコア/マスロック・デュオ。


Tripper

Tripper(2011)

   Spencer SeimとZach Hillの2人編成に戻っての4年半ぶりとなる6thアルバム。いやあ、しかしキレッキレですな。明確な武器となっていたように思うヴォーカルは本作では消えたけど、少し聴いただけで確実に圧倒されてしまう。千手観音と評される凄まじい手数のドラムにテクニカルなギターフレーズが乱舞する暴風雨のようなサウンドは、さらにとてつもないことになっている印象。ありえない超絶技巧から繰り出される音は空間を切り裂く鋭利さ、畳みかける獰猛さが強烈だ。変拍子を交えながら急転する展開が何度も何度も続き、さらには息もつかせない音符の連打が凄い。まるで先が読めない混沌&変態っぷりには脱帽。その両者の音といったらもう本当に独創的としか言いようがない。

 最小編成ながらこの音数の多さ、変幻自在の緩急/強弱、構成/構築力の妙は、常人の想像もつかない遥か彼方のレベルにある。フリーキーな演奏なのか、計算し尽くされているのかは本人たちしか知り得ないが、この圧倒的なテンションの高さとアグレッション/ダイナミズムは、聴く人によってはMars Volta以上に興奮できることだろう。もう聴いてて口あんぐりですよ。そして、ここまでアヴァンギャルドなのにポップも上手い事取り入れているし、陽性の疾走感があることも良い。複雑怪奇でありながら超刺激的な本作、まさに彼等の個が凝縮した文句のない作品でしょう。日本人としてはラストトラックの#10「Osaka」に燃えます。

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