the HIATUS ‐‐Review‐‐

ELLEGARDENの中心人物であったVo&G・細美武士による新バンド。電子音響を大いに取り入れた美しくモダンな音響を響かせており、エルレ時代からは完全に新境地へと進んでいる。

レビュー作品

> Hands Of Gravity  > Keeper Of The Flame > Trash We’d Love


Hands Of Gravity

Hands Of Gravity(2016)

 約2年半振りとなる5作目。ご存知のように合間には細美さんがMONOEYESを始動させ、新しいアウトプットの場を設けました。そのELLEGARDEN最終作の延長上にある疾走感があってカラッとしたラウドなサウンドは、多くの人の心を掴んだわけです(わたくしもその1人)。

 そのMONOEYESの活動からのフィードバックがthe HIATUSにも持ち込まれ、ポストロック~エレクトロニカ~音響系の実験的要素が濃かった前作からは、ロックのパワフルさがだいぶ戻っています。キレイにまとめつつも勢いと開放感は意識した感じでしょうか。その中で流麗なアンサンブルがあり、メロディに冴えがあり、細やかなフックがあり。まあ、インタビューによるとメンバーから「MONOEYESみたいな曲をこちらでもやりたい」との言葉があったらしいですが、それに加えて1stや2nd寄りの印象を受けました。

 ただ、the HIATUSだからこその楽曲の方に引き付けられるのは確か。エレガントな彩りを添える#2「Clone」、mouse on the keysを彷彿とさせる流麗なアンサンブルがキマる#4「Bonfire」、鍵盤やストリングスで壮麗さをまとうバラード調の#9「Three Rings」など。いずれにせよ納得できる内容だと思いますし、新規の受け口としてのバランスの取れた作品に仕上がっています。


Keeper Of The Flame

Keeper Of The Flame(2014)

 ユニバーサル・ミュージックに移籍後初となる2年4カ月ぶりの4作目。どんどんスタイルは変わる、挑戦的かつ実験的な姿勢が見られます。以前のアルバムでは、MUSEみたいと評されていた記憶もありますが、本作の印象でいえばUSインディー勢とリンクした曲作りで、ポストロック、エレクトロニカ、チルウェイヴといった言葉が結びついてくる。

 内省的な表現に重きを置いたうえで、重厚なアンサンブルが躍動感をもたらしている#1「Thrist」から幕を開け、エレクトロニックかつエモーショナルな#3「Unhurt」で突き抜け、アコースティックで牧歌的な雰囲気を醸し出しつつ、モダンな音響アプローチを融合させた#4「Horse Rising」が前半のピークへ持っていきます。

 この流れだけでも実験性を重んじていることや海外の流れを意識していることが伺えます。それから、きっちりと美しいサウンドへと昇華していく辺りは、実力派の集合体。ナタリーのインタビューでは、Teen Dazeにハマっているという話もしてますが、多彩な光を放つ電子音響を基盤にしつつも細見さんの真っすぐな歌声がイニシアチヴをとる辺りは、このバンドらしい。その上で柏倉氏のドラムが力強く優雅に泳ぎ、シンセが美しい稜線を描く。

 そんな本作では、Bathを思わせる#5「Sunset Off The Coastline」から「Interlude」を挟み、#7「Roller Coaster Ride Memories 」の流れにグッときました。最近のLITEの流れにも通じそうな#9「Waiting For The Sun」も印象的で、年食っても野心と遊び心を持った大人達の新境地みせた1枚です。


A World Of Pandemonium

A World Of Pandemonium(2011)

3rdアルバム。coming soon…


ANOMALY

ANOMALY(2010)

2ndアルバム。coming soon…


Trash We’d Love

Trash We’d Love(2009)

 ELLEGARDENの中心人物であったVo&G・細美さんによる新バンドのデビュー作。#1「Ghost in the Rain」の冒頭から聴こえてくるピアノの旋律が聴こえてきた時は少し戸惑いましたが、全体を通すとそれはすぐに消えました。持ち味であるパンキッシュなドライヴ感は受け継ぎながらも、美しいピアノとエモーショナルな歌メロが心に響きます。

 単なるエルレガーデンの延長に留まらず、これからを期待させる新機軸を表現。細部にまで”聴かせる”ことにこだわった楽曲構築の主な武器は、ピアノであり、ウエノ氏や柏倉氏や堀江氏といった豪華すぎるメンバーの表現力・演奏力です。どの人が主役でもおかしくないメンツが揃っているのに、どの音も研ぎ澄まされ、音同士が共鳴しあい、見事なまでのバランスの上で成り立って、美しいロックを鳴らしているのは特徴。それでいて、切なさや労りが感じられてエルレの初期に通ずるような、しっとりしたエッセンスを感じさせるところも良いですね。

 細美さんが新たにやりたかったことが初期段階でわりとはっきりしていると思うので、新たな彩りを加えたこのサウンドはなかなかにおもしろい。また成熟したロックアーティストとしての魅力、それを感じ取れる点も好印象ですね。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でGrumble Monsterをフォローしよう!