House of Low Culture -‐Review-‐

ex-ISISの頭脳、そしてHYDRAHEAD主宰のアーロン・ターナーによるソロ・プロジェクト。


Poisoned Soil

Poisoned Soil(2012)

   アーロン・ターナーによるソロ・プロジェクト、House Of Low Cultureの実に8年ぶりとなる新作。本作では妻であり、Mamifferでのパートナーでもあるフェイス・コロッチャが全面参加している。また、リリースは実験音楽系の発売(再発)を多く担っているベルギーのSub Rosaから。

 ここに収められた全3曲52分という長大な作品には、深い深い闇が存在する。まずは前衛的な音楽であることを肌で感じる事だろう。一昨年に見た”House Of Low Culture + Mertzbow + Borisのアツオ”という合体ライヴは、凄まじい緊張感と共に繰り広げられる音楽IQ高いインプロについていけずじまいで、この世の果てを見たという感じだった。その流れ通りに本作もまた当然と言わんばかりにとても難解な作品である。Mamifferであればもっとアクセスしやすい叙情味があると思うが、これはアーロンのディープな嗜好がよりはっきりと表れている内容。

 別プロジェクトのJodisよりも茫洋としたドローン音響であり、中心となっているのは全編に渡って効果音として用いらているようなギターとエレクトロニクス。ほぼビートレスでじっくりと展開していく。静謐な世界の奥底を覗くようなタッチで奏でるギターは時に不穏な残響まで響かせ、ノイジーな不協和音や卑しいハーシュ・ノイズの轟きはいかにもおぞましい。柔らかなキーボードも差し挟まれ、楽器のように使われるアーロンの呪術的な声もまた空気を塗り替えていく。闇に覆われたかのような#2の中盤では痛烈なリズムから渦巻く轟音までを自在に操り、荒涼とした音像を紡ぐ。常に恐怖と隣り合わせのような感覚、それはKhanate的な感性に現代音楽が加わったようなイメージが近いだろうか。とはいえ、張り詰めた緊張感の中で暗闇に吸い込まれていく感覚はなかなかに味わえるものではない。常に独自に開眼していくアーロン・ターナーの脳内宇宙は底知れずを体感できる2012年の初陣の作品である。

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