Head Phones President –Review–

セーラームーンの舞台女優などで活躍したANZA(大山アンザ)をフロントマンに据えるオルタナティヴ・ヘヴィロックバンド。LOUD PARK08の出演やIN THIS MOMENTと共演したことで近年飛躍的に知名度が高まっている様子。


Folie a deux

Folie a Deux(2007)

   前作「Vary」から実に4年ぶり(その間にEP1枚発表)となる2ndフルアルバム。ヘッドフォンから聴こえてくるけたたましいまでのヘヴィネスにまず耳が行く。スタイルとしてはいかにもKornに影響されただろう感じが如実に伺え、ミドルテンポでゴリゴリと進んでいくのだが、そこにANZAのヴォーカルが入ることで閉塞的な世界にさらに深遠な重さが加わって、どうしようもないくらい胸が痛くなる。悲痛さを体に刻み、憎悪の塊を吐き出し、渦巻いた怨念を叩きつけるその直情的なヴォーカルには惹かれる部分も多いだろう。この独特な世界観は、舞台女優もこなしていた彼女に拠る所が非常に大きい。それとは逆に時たまゴシカルな雰囲気を艶かしく表現することもあり、その奇怪だが美しいコントラストはこのバンドの武器といえる。微妙に呪術的な恐怖感を植えつけることもあるANZAの力量は評価されてしかるべき。その分、演奏陣のヘヴィネスはやや一本調子(とはいえ、クリーンな音色を織り交ぜるなどの努力はしているが)といえるきらいがあり、その点が気になるところだろうか。とはいえ、世界観を魅せるバンドであるから個人的にはヴォーカルの雰囲気を損なわないこの程度がちょうどいいような気もする。そういうわけで、この妙に怨念のこもったダークな世界観を重視したこの作品、結構惹かれる部分が多くてなかなかだった。一度、生でこの深遠たる重みを叩きつけてくる様を体感してみたいもの。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でGrumble Monsterをフォローしよう!