Kyuss -‐Review-‐

ストーナー・ロックの重要バンドに挙げられるKyuss。うねりをあげるヘヴィなギターサウンドは強力で、耳にずんずんと響いてくる。また彼等は砂漠地帯をホームにしていたことからデザート・ロックなんて呼ばれ方も。しかしながら、結局ブレイクするまでには至らず96年にジョンとジョシュの音楽性の違いから解散してしまっている。その後、ジョシュはQueen of the Stone Ageを結成して、Kyussとは比べ物にならないほどの市民権を得ているのはみなさんもご承知の通り。

レビュー作品

> …And the Circus Leaves Town > Welcome to Sky Valley > Blues for the Red Sun


And the Circus Leaves Town

 …And the Circus Leaves Town(1995)

   4thアルバムにしてオリジナルラストの作品。本作は前作のコンセプトっぽい大仰なつくりではなく2ndのようなコンパクトな(まともな)構成に戻っている。後のQueen of the Stone Ageに繋がるような作品とも言われているが、たしかにその準備段階のものといってもいいかも。やりたい放題の内容ではあるが、前作よりもだいぶ音象がすっきりと絞りこまれて比較的耳にも馴染みやすい。かと思えば極太のグルーヴ感や地を這うような重低音は健在で、香ばしいブルージーな香りとともに強力な地盤を造り上げている。ヴォーカルはやや引っ込んているような印象を受けるが、その分中毒性の強いインストパートや変態的な色を出している楽曲などがそれを補っている。後に生まれるQOTSAばりに爆走するロックンロール#1、独特の哀愁を漂わす#2、ラストを飾るのに相応しい長編#11などやはりKyussならではの色がしっかりと出ていておもしろい。けれども全体を通すと今まで以上に統一感には欠けるかな。個人的には弱冠の物足りなさを覚えたことや浮世離れした雰囲気を味わうことが本作では少なかったが、本作もバンドを語る上で欠かせない優れた作品であることには変わりない。


Sky Valley

Welcome to Sky Valley(1994)

   これがKyussの最高傑作にあげられる3rdアルバム。前作のマッシヴでグルーヴィなサウンドはさらにスケールアップ。砂嵐のように強烈になったうねりは身体中を吹き荒らし、渋みを増したヴォーカルはブルースの香りを漂わす。とりわけ曲のバリエーションが増えており、爆走ロッケンローなハイテンション極まりない楽曲から、クリアなギターの上を切々と歌い上げるスローな楽曲まで、様々な色を明確に出すように仕上がっているのが本作だ。重厚かつ変幻自在なアンサンブルが縦横無尽に暴れまわるその様はKyussの特色そのものである。コンセプトアルバムとも謳われる本作は三部構成51分に及ぶ壮大な物語(全3曲+おまけ1曲)を聴かせ、砂漠から異国の地へと旅路に出て、ついには宇宙空間を遊泳して、やがては体内へと入り込んで精神の解放へと繋がっていく。音の緊張と弛緩が絶えず繰り返され、それによってもたらされる強い圧迫感と解放感に意識朦朧必至。これを聴けば夕闇の谷間にあるストーナー大帝国への扉が開かれる。

 後に作られたQueen of the Stone Ageの方が断然に知名度は高いわけなんだけど、この作品はもっと多くの人間に聴かれるべき完成度を誇る作品であり、ヘヴィ・ロックに変革をもたらしたといわれるのも頷けるストーナー・ロック史にその名を残す大傑作である。


Blues for Red Sun

Blues for the Red Sun(1992)

   ストーナー・ロックの始祖とも呼ばれてるらしいKyussの2ndアルバム。本作は彼等の知名度を飛躍的に高めた名盤である。1stは未聴であるが、この作品からだいぶ音楽的な変化が見られたとの事。

 ヘヴィさとグルーヴの効いたマッシヴな音に、深淵からのうねりをスパイスした独特のサウンドスケープはかなり特徴的なものでかっこよい。砂漠の中に嵐を巻き起こし、強く渦巻いていくロックはひたすら脳の中枢部を突き進む。過激で重量感のあるサウンドは一般的に結構敬遠されてしまうものだが、異彩を放つギターとベースが滑らかな刺激を与え、渋いヴォーカルが止めを刺す。引きずり込むような酩酊感は特に強烈だ。アルバムの構成としても数曲の小インストを挟んでいるところなんか特徴的でユーモアが効いていておもしろい。代表曲といわれる#2「Green Machine」の素晴らしさは語るまでも無いだろうし、強烈なグルーヴ感にやられる#4や大人の哀愁と渋みでイカせる#6、激動のロックンロール街道をひた走る#11も聞き逃してはいけないかっこいい楽曲に仕上がっている。本作はストーナーロックと呼ばれるジャンルの中でもわりと聴きやすい作品といえるのでこのジャンルを開拓したい人にもオススメの1枚だ。次回作の「Welcome to Sky Valley」は究極を目指して創り上げた最高傑作と名高いが、本作も最初に記述したとおり負けず劣らずの傑作といえるだろう。

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