Lone ‐‐Review‐‐

ノッティンガムのビートメイカーMatt Cutlerによるプロジェクト。”FLYING LOTUS meets BOARDS OF CANADA”とも評されている注目の若手。


Emerald Fantasy Tracks

Emerald Fantasy Tracks(2010)

   ノッティンガムを拠点とするマット・カラーによるプロジェクト、Loneの約1年ぶりに発表となる3rdアルバム(過去作は未聴)。これが実にわかりやすく直接的なフロア感覚を有して、心地よく揺れるのに最適な作品となっていると個人的には思う。一部では”FLYING LOTUS meets BOARDS OF CANADA”と評されていて次世代を担う存在と目されているのだけど、このタイトル通りのエメラルドのような煌いた音使いに、タイトな4つ打ちによる躍動感を見事に結びつけて快感を抽出している。

 前作・前々作ではダウンテンポ寄りの作風だったらしいけど、ここで聴けるのは美しく夢見心地な陶酔感があるテクノ。そこにエレクトロニカやダブ・ステップ、デトロイト・テクノといった要素へと接近をみせ、巧いこと咀嚼しながら軽やかでオープンなダンス・ミュージックを創り上げている印象。カラフルな色を振りまくシンセやアブストラクトなエフェクト音で鮮やかな装飾を施し、アッパーなリズムとシャープな切れ味でひたすら体に訴えかける。メロウなダンス・チューンに持ってかれる#1、チープな音色にどこか郷愁を覚えては心地よいリズムに快楽の字で全身を埋め尽くされる#2、パーカッシヴな音が印象的な#6など随所に煌くトラックがずらり。全体に突き抜けた陽性が根付いているのも良く、わかりやすいフックが盛りこみながら緻密につくられているのも面白い。耳にしっかりと馴染んでくるのも柔和な音色で作品が構築されているからだろう。迷わずノれる、明日の方向に夢見っぱなしのテクノ・アルバムだ。

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