LOW-PASS ‐‐Review‐‐

fago.sepiaとのスプリット作品を発表したこともある京都のインストゥルメンタル・ロック・トリオ。


Trimurti

Trimurti(2012)

   フランスの4人組マスロック・バンド、fago.sepiaとのスプリット作品を発表したこともある京都のインスト・トリオの1stフル・アルバム。リリースはSTIFF SLACKから。

 タイプとしては、PeleやGhosts & Vodka、初期のtoeを思わせるインスト・ポストロック。透明感のあるメロディを巧みに振りまきながら、変拍子やタッピング、スラップ等の小技を存分に挟むも軽やかな疾走感と共に駆け抜けていく。抜群のアンサンブルで練り上げたグルーヴの強さ、また流麗な展開力には驚かされることだろう。さらにSTIFF SLACKらしい90年代風のエモさも含みつつも、ここまで清々しく爽快に聴かせてくれる点が非常に良い。前述したように、初期toeのような歌心あるインストゥルメンタルで幅広い層から評価されそうである。

 軽やかなステップを踏んでいるかのような心地よい疾走感の中で、様々なフックを盛り込んで楽しませてくれる#1「AR」や#2「Reconstuct」、キラキラとしたフレーズが懐かしくも心地よい#4「fog」、LITE風の難解なインストの中でキャッチーな終着点を見出していく#6「△」など個人的に惹かれる曲は多い。8曲で33分という程よい収録時間、それもまた聴いた後の清涼感や後味の良さに繋がっている。タイトルの”Trimurti”はインド神話で三位一体を表すそうだが、ギター・ベース・ドラムが主張しながら組みたてていく隙の無い音像は聴く人を選ばずに心に響くのではないだろうか。難解でテクニカルな要素を強く反映している割に、ストレートでキャッチーな音に昇華しちゃってるのは単純に凄い。インストへの入口としても活躍してくれそうな作品だ。

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