LUNA SEA ‐‐Review‐‐

 1989年結成の5人組ロックバンド。主に1990年~2000年にかけて大活躍し、日本のロックシーンに多大な影響を与えている。最高傑作とされる『MOTHER』を始め、2000年の終幕までに残した7枚のアルバムはいずれもヒットを記録し、活動休止開けの98年にリリースした6thアルバム『SHINE』はミリオン・セールスとなった。99年には日本では初となった10万人ライブを大成功に収めている。それでも2000年12月には終幕を迎えてしまうこととなるのだが、伝説には続きがあった。2007年に実に7年ぶりとなる一夜限りの再結成を果たし、2007年12月24日に夢の続きを我々に見せてくれた。そして、その後の沈黙から3年後の2010年8月に“REBOOT宣言”。2011年に世界ツアーや1stアルバム『LUNA SEA』のセルフ・カヴァー作など意欲的に活動を続け、2013年には13年5カ月ぶりとなる待望の新作『A WILL』をリリースした。

レビュー作品

> NEVER SOLD OUT 2 > A WILL > LUNA SEA > PERIOD > LUNACY > SHINE > STYLE > MOTHER > EDEN > IMAGE > LUNA SEA


NEVER SOLD OUT 2

NEVER SOLD OUT 2(2014)

 結成25周年を迎えるLUNA SEAの2枚組ライヴ・アルバム。題名から御察しの通りに、15年前の結成記念日である5月29日にリリースされた『NEVER SOLD OUT』の第2弾である(本作の発売日が5/28であることが惜しい)。15年という間にはご存知の通りに、「終幕」と「REBOOT」というふたつの大きな事件があった。その苦難を乗り越えてきた彼等は成熟し、あの頃よりもさらに輝きを増して、LUNA SEAはLUNA SEAという証明である二度目の1stアルバム『A WILL』を2013年末にリリースした。未だに後続の指針となるべき”カッコイイ”バンドであり続けている。

 このライヴ作はREBOOT後のテイクを中心に収録しており、当然ながら前回から漏れた曲もしっかりと拾っているが、定番曲で仕方ない被りがある。また、既に映像化された曲が含まれていたりもする。ちょっとその辺りに不満があるとはいえ、LUNA SEAのライヴへのガイドとしては最適でしょう。DISC1はさながらライヴの疑似体験ともいえる曲順。07年の一夜限りの復活公演であるOne Night Dejavuの#1「LOVELESS」に始まり、14年前にタイムスリップしての#2「Dejavu」で加速し、その後も名曲のオンパレードで半端ない昂揚感に包まれる。#4「Sweetest Coma Again」という変化球を用意しつつ、ようやく初音源化された#8「PROMISE」が感動を誘う。収録時期に12年のタイムラグあるとはいえ、近年のライヴで本編を締めくくる流れ通りに切れ目なく繋げてある#10「ROSIER」から#11「TONIGHT」は鉄板だし、#12「LOVE SONG」で分かち合い、#13「WISH」でひとつになる締めくくりも昂ぶります。

 一方のDISC2の方はというとわりとコアな楽曲が揃っている印象ではあるかな。#6「BROKEN」や#7「My Lover」辺りが選出されいるのには驚いた。あと90年代のテイクが多く収録(5/8)されているので、彼等の変化を感じ取りやすいかも。その中でも最後を締めくくる#8「THE ONE -crash to create-」が際立っており、こんな凄い曲をこの人たちがスタジオ音源以上の説得力を持って披露しちゃうんだから、若手はもう太刀打ちできないと。もう輝けないどころか、輝きは月のごとく永遠にですよ。本当に。というわけでコアなファンが聴いても楽しめるだろうし、入門編にもオススメできる記念作品だと思います。

 ちなみにわたくしは14年ぶりとなる全国ツアーの名古屋2DAYSに向かいます。この年にして初LUNA SEA。


A WILL

A WILL(2013)

 ”終幕を超えて”。2010年5月のREBOOT宣言以降、誰もが待ち望んでいただろう月と海の物語の続編、約13年5カ月ぶりとなる通算8枚目のアルバムである。『A WILL』というタイトルは遺言を意味しているそうだが、新たな時代を切り拓くLUNA SEAの新章として相応しい作品に仕上がっている。SUGIZO曰く「二度目の1stアルバム」。

 威風堂々とした光を放つ珠玉のオープニング#1「Anthem Of Light」から興奮を抑えられない。2012年の暮れから順次リリースされていったシングル曲(#2「ROUGE」、#3「The End Of The Dream」、#6「乱」、#10「Thoughts」)から不安など全くなかったが、こうしてアルバムを通して聴いても、奏でられている音楽は紛れもなくLUNA SEAである。もっと落ち着いた作風になるかと思っていたら、いい意味で予想を裏切ってくれた。洗練・熟成された構築美の表現の上に、ロックバンドとしての衝動性、勢いと重厚さを終幕前よりも追求したつくり。疾走感のある力強いロック、味わい深い叙情的なミディアム・チューン、甘美で壮大なバラードまで実にらしい的確なバランスで作品を構成しつつ、光のエネルギーに満ちた力強い音の結晶に収斂している。

 透き通るようなクリーン・トーンのギターとRYUICHIの見事な歌唱が映える#4「MARIA」、かつてない重厚なグルーヴで魅せる#5「Glowing」、彼等らしい美意識を行き渡らせながらアグレッシヴな疾走チューンに仕上がった#8「Metamorphosis」、SUGIZOのヴァイオリンもフィーチャされた壮大な#9「銀ノ月」等、アルバム曲はいずれも佳曲揃い。もちろんシングル曲も彼等らしい魅力が凝縮しており、印象の薄かった#6「乱」にしても力強い前奏を加えることで完璧な形でアップデートされているように思う。また、本作についてSUGIZOがbridge誌のインタビューでは「とにかく感謝と愛情が詰まったアルバム」と表現していたのが印象深いのだが、確かに作品を通してロックの衝動をしっかりと感じさせつつも、温かさと優しさが存分に伝わってくる。それを顕著に感じるのはラスト曲#11「Grace」。ストリングスを交えた荘厳なバラード曲に仕上がっていて、彼等が贈る存分の愛をひしひしと感じる楽曲となっている。

 『MOTHER』に並び立つ最高傑作とは思わないのが正直なところではあるが、キャリアでも重要な位置をしめる作品だろう。過去と対峙し、これからの未来に向けての決意と意志を表明して、ファンとの愛や絆も本作で確かめている。「もうこれ以上輝けない」という言葉を残して終幕したLUNA SEAは、その歴史を乗り越えて本作において眩いぐらいの輝きを放っている。


LUNA SEA【ジャケットB】(DVD付)

LUNA SEA(2011)

   “初期衝動から20年の時を越え、今ここに再び新たな命が吹き込まれる”

 上記の文章を引用させてもらったが、エクスタシー・レコードから発売された91年のインディーズ作のセルフ・カヴァーとなる本作は、約10年振りに5人でレコーディングした作品にもあたる。REBOOT宣言以降、ライヴ活動に精を出して世界を廻っていたが、その上でこうしてある意味では新しい作品を届けてくれた事には感謝を示したい。セルフカヴァーにせよ、復活したというLUNA SEAの鼓動を肌で感じさせてくれる。それと共に、彼等という強い光を放つ月の存在を高らかに示したのは間違いない。

 91年の原盤だと刺々しいパンキッシュなサウンドが印象的で、荒い音質も手伝って初期衝動を存分に示していた。ギラギラしすぎた狂気と野心に喰われるかのようなほど迫力を感じた人も多いだろう。本作では5人の20年という長きの経験によって、さらに力強く生まれ変わった。単純に重厚さを増しただけでなく、幾多のライヴで楽曲が磨きあげられ、さらに五人各々がこれまで培ってきた豊かな表現力によって細部に至るまでの魅力が大いに解放されている。徹底的な美意識を根底に据えた彼等の作品が、ここにきてより熟成して孵化したという印象さえ受けるのだ。ほとんどアレンジを変えてない分、それが明確に伝わってくる。河村隆一を経て初期の狂気も範疇に収めたRYUICHIの歌唱に驚き、SUGIZOとINORANの絶妙なギター・アンサンブルが繊細かつ妖しく楽曲を引き立て、Jのメロディアスかつ攻撃的なベースに以前よりも音の迫力が豪胆になった真矢のドラミングが支える。そういった五人の個性が芯の強さや表現力を深めつつ、20年の時を越えて奇跡的に重なり合う。これぞ深化と呼ぶべきものなのかもしれない。

 原盤よりもテンポが落ちているし、荒々しい初期衝動は弱まっているものの、それを補ってあまりある妖艶なる表情を持ったことには感慨すら覚えてしまう。また、劣悪だったためにスカスカだった録音もさすがに段違いの質で、楽曲をより完璧な状態へと仕立て上げている。ヴィジュアル系の流儀となっていく妖艶なるダークネスと耽美性を、アダルトな魅力を備えた状態で表現しているところも良い。特に「MOON」の壮大な物語は本作にて完結したと思えるほどのできあがり。また、「Precious」は00年のズッコケた再録を忘れさせる疾走感と力強さが重なり合う素晴らしさ。妥協なき音の収斂がみせる奇跡は、そのままLUNA SEAという存在の大きさを物語っている。過去と現在の交錯という範疇を超えた表現力を発揮したセルフ・カヴァー作といっても差し支えない。ファン以外も十分に聴く価値はあります。


PERIOD

PERIOD(2000)

   90年代に次々と伝説を創り上げてきたLUNA SEAが2000年12月27日をもって終幕を迎えた。そのLUNA SEAから最後の贈りものとなるベストアルバム。全曲リマスタリングされており#11以降の楽曲はリ・レコーディングされていて、その変貌が注目された。

 選曲には?が付く部分もあるが、単純なシングル集になるよりはこのように彼等の歴史において重要な楽曲が収録された内容になったことの方が良かったのではないかと思う。初期から後期までバランスよく選曲されている。ラストシングルとなった#1「LOVE SONG」が幕開けに配置されているのは驚きだが、我々に最後の想いを伝えた名曲として名高い楽曲でさすがに涙腺が緩む。他の楽曲に関してもLUNA SEAがレジェンドであったことを裏付けるものばかり。だが、正直なところ再録した曲に関しては、昔の方が良かったかなあというのは否めないかな。やはりこれはRYUICHIではなく河村隆一としての録音になっているからかなあと。

 ただ、彼等の軌跡を辿るにはオススメの作品です。己の形を求め続け、独自の道を邁進し続けた轍がここにあります。ちなみにこの作品は20世紀最後のオリコンチャートで1位を獲得。こういった所でも伝説的な終わり方の手本を示している点はさすが。


LUNACY

LUNACY(2000)

   オリジナルではラストとなってしまった7thアルバム。タイトルの「LUNACY」はLUNA SEAとして活動する前に使っていたかつての自分たちのバンド表記名。“改めて初心に戻る意味と、そして新たな第一歩”という意味で付けられたというこの作品、LUNA SEAの並々ならぬ意気込みが伝わってくる。

 作風としては前作「SHINE」をさらに成熟させたメロディとキャッチーさに富む内容。「SHINE」をリリースしたことにより方向性というのが見えたのだろう、1年半という過去最長の製作期間を設け、じっくりと腰を据えて作られた11の楽曲には揺ぎ無いLUNA SEAの自信がみなぎっている。独特の世界観というのは今作でも希薄なのだが、それを補ってあまりある楽曲の質の高さに惚れ惚れ。映画「アナザーヘヴン」の主題歌となった、儚さと美しいギターのアルペジオもさることながら内面に浸食する静かな混沌が存在する#3「gravity」、ライブ栄えする疾走ロックチューン#10「TONIGHT」という2つのシングル曲を筆頭に、抜群の存在感を放つミッドテンポの#2、畳み掛ける野生的な#8、そして涙を誘う哀愁メロディが特徴的なバラード#6,#7,#11。とLUNACYのタイトルに負けない優れた楽曲が揃っているではないか。ツインギターのリフは新境地を開拓したかのように以前とは違った表情を覗かせているし、ベースはもう3本目のギターとも形容できるぐらい目立っちゃってる。RYUICHIは新たな声で違うLUNA SEAを模索したし、最後まで5人の輝きは衰えることはなかった。逆に一人一人の輝きが強くなりすぎてしまったのが、伝説の終わりを告げることになってしまったのかもしれないな。

 この後、終幕を発表した時のRYUICHIはこう答えている「アルバム『LUNACY』ができたことで、もうこれ以上のものはできないと感じた。」 そして終幕を迎えることになった・・・


SHINE(DVD付)

SHINE(1998)

   1年間の各自のソロ活動期間を終え再び5人での珠玉の輝きを求めてLUNA SEAの第2期が始まった(正確にいうと彼等は「STYLE」からを第2期と定めているようだが)。1998年4月に発売された復活シングル「STORM」が今バンド最大のヒットシングルとなったのが再生の強さを物語っている。6月と7月のシングル連続リリース、そして待望の復活作品となったのが6枚目のアルバム「SHINE」。まさにタイトル通り、LUNA SEAという陽がまた登ったことを意味している。

 しかしながら再開後の大きな課題となったのはRYUICHIが脱退し、河村隆一が加入したこと(&真矢が気付かぬうちに太ってしまっていたこと)。彼の声質の変化がその後のバンド活動の変遷を決定してしまったといっても過言ではないだろう。ソロ活動によって輝きが強くなりすぎてしまった感がある。そんな状況で発表された今作は、新しいストーリーの幕開けを告げる#1から、再び嵐を巻き起こすバンドLUNA SEAの漲る新たなパワーが暴風となる#2「Storm」、眩しいほどのポップなシングル#4「SHINE」、ドラマ主題歌に起用されたことでより幅広い世代に名を広めた第2期の中核となった名バラード「I for you」と楽曲は粒ぞろい。だが、今までどのアルバムでも創り上げてきたLUNA SEAの世界観というのが今作は希薄だと思えるが、シンプルになった分、単純に聴きやすくなったし、さらに多くのファンを掴むきっかけになった作品であると思う。幻想的であまりにも儚い世界を魅せてくれるのがLUNA SEAだと思っている自分するとちょいと不満はありだけど、中学1年生だった当時にこの作品に出会えたことが、僕のロックへの架け橋のひとつとなっています。


STYLE

STYLE(1996)

   前作「MOTHER」で一つの頂を見た彼等が1年半の歳月をかけて製作したのがこの5枚目のアルバム「STYLE」である。様々な趣向を凝らし、前作を越えようと抗うその姿勢はやはりLUNA SEAというバンドのあくなき向上心が伺える。おぼろげでつかみどころのないオープニングチューン#1「WITH LOVE」からして挑戦的だ。#2,#3でそれまでを振り払う重量感を増したロックチューンが聴け、タイトル通り螺旋のように絡み合うツインギターが印象的な#4、唯一の10分越えの壮大なスケール感を持つバラード「Forever & Ever」に涙腺をやられる。オリコン1位を記録した2枚のシングル#8,#9は今作でも抜群の存在感を放っているし、シングルカットもされた初のタイアップ曲#10「IN SILENCE」は幻想的な透明感と美しいギターフレーズに酔う名曲。ラストは不思議な世界観を持つ#11「Selves」で締めくくられるところがまたなんとも筆舌しがたい味わいがある。

 複雑なスタイルが混ざり合いながらもうまく構築されている作品だと思う。それが深く重なり合いこの「STYLE」は完成にこぎつけたのだと思う。「MOTHER」発売後、彼等は相当苦しんだと思う。あれほどの作品の後に苦しまないはずが無い。だからこそより独自性を放った「STYLE」という解答は間違いではない、むしろ称賛されるべきだろうと思う。この後、彼等はさらなる輝きを求めるために1年間の活動休止を宣言する。それは自らとの戦いを意味し、LUNA SEAというバンドの運命を大きく変える転機となった。


MOTHER(DVD付)

MOTHER(1994)

   月と海の伝説最終章とも言える傑作アルバムが今作「MOTHER」だ。それまでの「IMAGE」「EDEN」の流れを汲みながらもLUNA SEAの美徳と幻想を描くサウンドの完成とバンドの可能性を無限に押し広げた究極の1枚は10年以上の月日が流れた現在も燦然と輝きを放ち、今も全く色褪せない。今作はヴィジュアル史に・・・いやロック史に残る傑作となっている。

 透明感のあるピュアな世界と退廃的なダークな世界を見事に混在する独創性、幾億のドラマが詰まっているかのようなストーリー性、さらにヴァリエーションが豊かになった楽曲郡、それらは月からの神秘的な光を放っているかのよう。一言で表せば誰もが驚く芸術的な作品、ジャケット写真のような神聖さがここに存在する。

 SUGIZOが「この曲よりも、始まりにふさわしい曲はない」と評す、神々しいメロディが可能性を解き放つ#1「LOVELESS」、彼等を世間に知らしめた無敵のロックチューン#2「ROSIER」、8分を越える劇的なドラマが展開される中盤の要#5、シングルとしてノンタイアップながら初のチャート1位を獲得し、LUNA SEAの天下を確かなものにした後世に語り継がれるべき疾走チューン#の10「TRUE BLUE」。今作に収録されている楽曲はどれも個性的で優れた楽曲ばかりだが、特に上記に挙げた曲は逸脱の出来だろう。そして最後はLUNA SEAがようやく辿り着いた境地ともいえるラストナンバー「MOTHER」。壮大なスケール感は母なる大地の雄大さと穏やかさを物語っており、この作品を締めくくるにはこの曲しかない!と強く断言できる楽曲に仕上がっている。5人の個性がぶつかり合い生まれた月と海の伝説。


EDEN

EDEN(1993)

   約11ヶ月でリリースされた3rdアルバムはJの発案により楽園を意味する「EDEN」と名付けられる。初期衝動を感じさせる猛進の曲は1stシングル「BELEIVE」だけにとどめ(それでもメジャー感のある綺麗なメロディが堪能できる曲だが)、より透明度の高い幻想感をまとって、まさに“楽園”というタイトル通りの世界を全編にわたって繰り広げている印象だ。夢現という言葉があてはまりそうな世界観が何ともいえない儚さへ繋がっている。

 刺激的なロックサウンドと流麗なギターが同居する#1「JESUS」、前述の#2。これまでよりもメロディに重きを置いて作られたことがこの2曲でもわかる。この後はジャケットのような白を意識したようで、どことなく耽美なメロディが目立つ曲が多い。一気に引き込まれるような#6、ヴァイオリンをフューチャーしたバラード#10などの曲がオススメだ。個人的にこの作品で一番好きなのは後にシングルカットされた#7「IN MY DREAM」。メジャースケールのポップなメロディが一面に広がっていくかのように爽快な曲で、夜空を彩る一つの星になるほど煌びやかな輝きを持っていると思う。

 今作は「MOTHER」と並んで最高傑作に挙げる人も多い。反面、「IMAGE」と「MOTHER」の間に挟まれた印象の薄いアルバムとしている人も少なくない。アルバムを通してあまりにも幻想的でありすぎたために印象が薄くなったのは確かに否めないかも。だが、LUNA SEAを語る上で欠かすことのできない作品に変わりは無い。


IMAGE

IMAGE(1992)

   衝撃的な1stアルバム作品から約1年、メジャーデビューアルバムとなる2ndアルバムがついに発売された。荒々しいまでの前作の暴虐性を振りまきながらも確立しつつある幻想的な世界観。ややソフトになりながらもキメ細やかで繊細かつ美しいメロディと獰猛さが融合して、独特のLUNA SEAの美学が一気に開眼した。

 荘厳なクワイア#1から繋がる#2「Dejavu」はキレのある劇的なロックチューンであり、初期の代表曲として必ずライブで演奏するほどの強力な武器となっていた楽曲である。他にも妖艶なロックサウンドを展開する#3,前作の流れを汲む初期衝動に溢れた#9などの攻撃的な曲を携えてはいるが、今作ではやはり美を包括したメロディが息吹を与えていくミディアムチューンの楽曲の質が「IMAGE」を創り上げる鍵を握っていたと言っても過言ではない。タイトル曲の#5を始め、ヘヴィで艶かしい異色の#6、今作でさらに輝きを増した#11「MOON」と収録曲は攻撃性を全面に出した前作とは比べものにならないほど多彩な色を持つようになったのである。ラストの#12「WISH」はLUNA SEAにとっても、またSLAVE(LUNA SEAのコアなファンをこう呼ぶ)にとっても大切な曲として存在している至高の名曲。

メジャーデビューという割にはかなり濃い作品となっている。それは今作をレコーディングする上でも微に入り細を穿つほど細かい点までこだわったという彼等の姿勢がそうさせたのかもしれない(その結果、レコーディングに時間がかかりすぎたそうな)。既にLUNA SEAというバンドのカラーを確立させつつある作品です。


LUNA SEA(DVD付)

LUNA SEA(1991)

   X JAPANに見出され、エクスタシーレコードより発売された最初で最後のインディーズ作品。俺個人の印象だが、LUNA SEAと言えばそのバンド名どおり、月と海が溶け合うような幻想の美しさを持ったバンドだと思う。後発の作品から聴いていった自分としてはその印象はあながち間違いではない。ところがこの作品はその考えを打ち砕く。透明感のある美しいギターフレーズや叙情性もこの頃から既に武器の一つとなっているが、それを打ち消すほどの“攻撃性と狂気”というものが最大のストロングポイントとして存在していることに驚きを隠せない。特にRYUICHIの鬼気迫るヴォーカルには異常なほどのバイオレンスを感じる。それはこれからスターダムをのし上がってやる!という気概とも感じられる初期衝動のようだ。ツインギターが生み出す独特のメロディ、唄うようなベースラインで存在感を放つJのベース、強烈な真矢のドラミングはどれも個性的だ。楽曲は荒削りではあるものの、LUNA SEAの独創性は既に発揮されている。それは#9「MOON」やバンドの代表曲として愛される#10「PRECIOUS…」でも明らかだ。

 インディーズの名盤の一つに挙げられる作品だろうと思う。それはこの作品で彼等が音楽に与えたものは大きすぎたことからも証明されている。 LUNA SEAの原点はここに詰まっている。

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