マクマナマン ‐‐Review‐‐

福岡県を中心に活動中のプログレッシヴ・インストゥルメンタル・バンド4人組。その卓越したテクニックとプログレッシヴなサウンドに定評があり、Lightning Bolt、Nadja、灰野敬二、Nuitoなどと共演した経歴を持つ。Sleepwell Recordsより2012年7月末に1stアルバム『DRUGORBASEBALL』をリリース。FUJIROCK FESTIVAL’12 ROOKIE A GO-GOへの出演も果たした。


DRUGORBASEBALL

DRUGORBASEBALL(2012)

   福岡のプログレッシヴ・インスト・カルテットの初の全国流通盤となる1stフルアルバム。発売はpasteurやHellaなどをリリースしているSleepwell Recordsから(Daymareと姉妹レーベルです)。

 コピーつけるなら”プログレッシヴ・タイフーン”ですかね。ギター×2,ベース、ドラムと編成はシンプル(余計な音も入れずにあくまで4人勝負)、だけど音楽的には複雑難解。変拍子満載の緩急に富んだ多様な展開で畳み掛け、楽器陣が奇妙な交わり方を繰り返す。福岡のNATSUMENと呼ばれてたりもするようだけど、近いのは確実にnuitoだと思う。場面によってはSleeping Peopleばりの鋭角な切れ味と変則的な展開もキメるし、歌なしのMars Voltaっぽい印象もある。ポストロックのような空間的なアプローチもみせるけど、一糸乱れぬ正確なアンサンブルが火を吹く点はかなり強烈だ。

 バンドの屋台骨となっている手数の多いドラムを中心として、なめらかな指弾きで低音を支えるベースはパートによってはギターばりにメロディを弾き、多彩な音色を紡ぎだしていくツイン・ギターが抜群のコンビネーションとともに曲を発展させていき、やがてはひとつの大きな絵を描き出す。小気味良いテンポの中でタッピングとやユニゾンもばっちりとキめ、フリーキーにギターを弾き倒す時もあり。嵐が凪いだように柔らかい風が頬を撫でるときもあり、自由自在の緩急も卓越したテクニックとセンスで成立させている。作品は4曲約55分というなかなかに長大な構成だが、それもめくるめく展開の連続に身を任せればあっという間。とても刺激的で興奮を覚えることだろう。なかでも#2「マイケル」、そして#3「超級警察」の2曲がフジロックで見たこともあって強烈な印象。肉体的なアンサンブルが嵐の中に放り込んでいくテクニカルな曲で、刺々しい緊張感の中で瑞々しい衝動が詰まっている。地方からインスト・マスロックを面白くする存在がまたここに現れた。

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