マキシマム ザ ホルモン ‐‐Review‐‐

1998年に結成された東京八王子の4人組ロック・バンド。“三度の飯より飯が好き!!”をキャッチフレーズに、豪快なサウンドと圧倒的なライヴパフォーマンスでファンを獲得し、驚異の人気を誇る。2005年3月発売の3rdアルバム「ロッキンポ殺し」がスマッシュヒットを記録すると、2006年夏に発売したシングル「恋のメガラバ」では初のチャートTOP10入りを果たした。2007年3月に待望の4thアルバム「ぶっ生き返す」をぶっ殺し価格(2564円)で発売し、大ヒットを記録。6年ぶりとなる5thアルバム「予襲復讐」では初となるチャート1位を獲得した(しかも3週連続1位)。ホルモン旋風はとどまることを知らず。

レビュー作品

> 予襲復讐 > 爪爪爪 / 「F」 > ぶっ生き返す


予襲復讐

予襲復讐(2013)

 色々あって6年ぶりとなる5thアルバム。3週連続オリコン・チャート1位を記録するという信じられない快挙を成し遂げ、人気面でもトップ・クラスのバンドであることを証明した。また、本作には前作から6年の間に発表しているシングル『爪爪爪 / F』『グレイテスト・ザ・ヒッツ2011~2011』も出し惜しみなく全15曲収録(一応、これでいいのかw)。6年も待ちわびた全国の腹ペコ達を昂揚させる内容となっている。

 しかし、衰えるどころか沈黙期間の鬱憤を晴らすかのように、さらなる筋力増強を果たしての獰猛なヘヴィネスが強烈である。もういい年したオッチャンなのに(サマソニでのダイスケはんの言葉より)、まずそのエネルギーが驚異。テーマとなっているのは、思春期バリバリの”中二”のようで、人生に置いても多感なあの頃を亮君流の詩に乗せて、リスナーに発信している(しかも漫画やや対談形式の解説もつけて、バカ丁寧にまで歌詞の内容を伝達)。その上でロック、メタル、パンク、メロコア等々の要素に独特のアイデアやユーモアを交えてホルモン流に仕立てた楽曲群は、充実の仕上がりだと思う。

 冒頭を飾る#1「予襲復讐」から、あらゆる外野の声を蹴散らしていく激烈なロックを展開し、#4「便所サンダルダンス」や#10「え・い・り・あ・ん」等でも濃縮されたミクスチャー・ロックが両耳へ急襲。重いゴリゴリのサウンド、キャッチーな部分、それぞれに磨きがかかっているので前作以上に迫力とポピュラリティを感じる部分が多々ある。起伏に富む展開力も流石であり、この構成の巧さが余計に耳を引く。特に#15「恋のスペルマ」では、ライヴで笑って頭振って盛り上がっている場面が目に浮かぶ。恋のおまじないも含めてね。

 聴いてたら結局のところ、その溢れんばかりのエネルギーに捩じ伏せられ、『ホルモンってすげえよなあ』と唸ってしまう。僕としては、『ぶっ生き返す』の方が聴いた時の衝撃が大きくて好みではあるのだが、本作が問答無用の傑作であるのは間違いない。実力派の本領を如何なく発揮している。


爪爪爪/「F」

爪爪爪 / 「F」(2008)

 少しずつジャケがオシャレになっている気がする、ホルモンの2008年7月に発売した両A面シングル(全3曲収録)。2007年発売の「ぶっ生き返す」がめちゃくちゃ売れたわけなんだけど、3曲共に微塵もスタイルは曲げておらず、屹立とした精神が彼等の音には宿っている。本作ではさらに獰猛な激しさが際立っており、音の爆裂旋風が全てを粉々に粉砕して焼き尽くしていく。

 「爪爪爪」ではグラインドコアばりの苛烈っぷりとモダンヘヴィネスの要素がうまく噛み合い、そのうえにホルモンらしいポップ感が光る楽曲に仕上がっているし、「F」も放送禁止用語とブルータルなリフで猛進する激しい楽曲だがメロパワ並のツインリードが意表をつくように心をがっちりと掴む。タイトルからして挑戦的な#3「kill all the 394」も群れを蹴散らす力は十分で、実に痛快。もう曲を聴いててもDillinger Escape PlanやProtest The Heroだとかあの辺の変態カオティックコアバンドが浮かぶんだけど、キャッチーな要素をうまく絡めてホルモン流に昇華している辺りはさすが。音源が出るたびにそのセンスの良さに感心させられる。

 前述の通りにまるで一般的にはウケそうにない音であるにも関わらず、揺ぎ無い人気を獲得したこともあってオリコン初登場2位を記録。もはやホルモン旋風は止まるところを知らない。ちなみにこのシングル1157円で”いい粉”価格らしい。幸運な方には粉が入っているとか入っていないとか(本当かどうかは知りません)。


ぶっ生き返す

 ぶっ生き返す(2007)

 通算4作目となるフルアルバム。自分は本作からホルモンを聴き始めました。

 システム・オブ・ア・ダウンばりの変態ヘヴィロックを迫力十分に轟かせ、和の情緒やユーモアを乗せた作風が実に新鮮である。ダイスケはんの絶叫ラップ、亮君の絶叫シャウトと重厚なるギターリフ、スラップを交えたバキバキの変幻自在の上ちゃんのベース、ナヲ姉の程よいポップさを与える歌唱&激しいドラムスが加わるマキシマムザホルモンの音楽はとてつもない化学反応を起こしているといえるだろう。以前と比べると聴きやすくなったとも評されていたりもするが、ホルモン流ミクスチャー・ロック「ぶっ生き返す」、轟音ラウド・チューン「What’s up,people!?」を始めとして、その獰猛なヘヴィネスは強烈である。

 また、デスノートのEDテーマとして旋風を起こした「絶望ビリー」、懐メロとヘヴィロックの融合となる「シミ」、ヘヴィネス&ポップネスを上手く昇華した夏ソング「恋のメガラバ」など優秀な曲は目白押し。モダン・ヘヴィネス~ミクスチャーからの影響が大きいとはいえ、ここまでユーモアを交えて独創的に自身の音楽を確立しているのは凄い。個人的には、本作が彼等の最高傑作だと思う。

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