Mineral ‐‐Review‐‐

“エモ”を語る上では決して外せないテキサスの偉大なロック・バンド。4年という短い活動期間ながら、90’s EMOの代表格として君臨した美しく感情的な歌とメロディで綴られる2枚のアルバムは必聴。

レビュー作品

> Endserenading > Power Of Failing


Endserenading

Endserenading(1998)

   90’sエモを語る上では欠かせない代表格、ミネラルの2ndアルバム。数多の人々にその存在を知らしめた名盤の1stではもっとハードで荒らさを感じさせる作風であったが、対してこちらの作品では、静の部分に重きを置いて洗練された美しさを湛えている。

 比較的ゆったりとしたテンポの中、アルペジオを丁寧に丁寧に紡ぎ、感傷的な歌をじわじわと心の内に響かせ、やがては涙腺にまで波及していく。ギターが激しくバーストしたり、力のこもった絶叫が出てくることはあれど(特に静から動への転換が見事な#4「Unfinished」は名曲)、勢いと激しさによる押しの展開はほとんどなし。1stから非常に洗練された作風で、大人の味わいを持っていると表現しても差し支えないかもしれない。#1「Lovelettertypewriter」~#2「Palisade」に代表されるように、あまりにも繊細なメロディと歌で感情豊かに綴られている。暮れなずむ夕陽を見ながら、じっくりと聴き込みたい哀愁のエモといわんばかりに。聴けば聴くほどに味が染み込んでくるはずだ。胸が締め付けられるほどに切なすぎる#10「Thelastwordisrejoice」による締めくくりは、感動的過ぎて言葉が出てこない。

 本作でMineralの活動は終了となったが、彼等の残した功績は非常に大きい。今もなお、2枚の作品を通して多大な影響を与えている偉大なバンドである。解散後は、The Gloria RecordとPop Unknownへと派生していく。


The Power Of Failing

Power Of Failing(1997)

 90’s EMOの代表格であるテキサスのロック・バンドの記念すべき1stフルアルバム。筆者は、2ndアルバム→1stアルバムと遡るように作品を聴いたのだが、こちらの方が彼等の初期衝動が爆発している印象は強い。その上で彼等らしい感傷的なメロディが立っている。

 感情の激流を余すことなく音に詰め込み、がむしゃらに楽器を掻き鳴らし、咽び泣いているような歌と叫びが聴き手の心を動かす。オープニングを飾る#1「Five、Eight And Ten」における衝撃は、蒼いフィーリングとポストハードコア寄りの荒々しさ、美しいメロディが組み合わさったことで生まれたものだろう。そこからエモ史に燦然と輝く大名曲#2「Gloria」への流れは、本作の評価を決定づけるほどに素晴らしい。また、痛快なまでの疾走感があるのもこの1stならではの特徴といえるはず。#6「If I Could」における内省的なサウンドと何かを訴えかける様なヴォーカリゼーションにはこみ上げてくるものがあるし、初期衝動全開で本作において#2と並んで核として機能している#7「July」もまた印象的な楽曲のひとつ。

 後のポストロック的なアプローチにも似た美しい静寂から轟音ギターを鳴らす#3「Slower」もまた味わい深い。#8「Silver」でもそうだが、本 作で垣間見える静から動への表現描写は、洗練されたメロディとスケール感を纏う事で次作『Endserenading』にて完成系を見ることになる。個人的には2ndの方が好きなんだけど、本作の人気も非常に高い。流石にエモの伝説的バンドであり、この1stアルバムもまた”エモの美学”たるものを伝えてくれる重要作である。

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