Minsk ‐‐Review‐‐

ベラルーシ共和国の首都からお名前を頂戴した、シカゴを拠点とするスラッジ・ドゥームバンド。

レビュー作品

> With Echoes in the Movement of Stone > The Ritual Fires of Abandonment


With Echoes in the Movement of Stone

With Echoes in the Movement of Stone(2009)

 約2年ぶりとなる3rdフルアルバム。闇が爪を立てて静かに押し寄せ、混沌を全て吐き出し地の底を知らしめる・・・。その暗澹としたサイケデリックな空気と鬱々と澱んだ闇の泉に沈んでいくかのような途方もないサウンドが意識をじわじわと冥府へと連れて行く。相変わらずどこまでもどこまでも深い陶酔と酩酊を召還するバンドである。禍々しくも神秘性を備えたその音は絶対神であるNeurosisにさらに接近。地を這いずるヘヴィネスのうねりは言わずもがなだが、妖しく進むトライバルなリズムや宗教的な薫り、呪術的な声は一層の負の深みを増して、聴き手の五感を刺激するものとなった。#1「Three Moons」から妙に黒々しい静と激しく脳髄をまさぐる動を行き交う緻密な構成力に基づいたメリハリのある展開によって、独創的な儀式が繰り広げられている。絶望が渦を巻きながら手招いている中で、多彩な楽器と音色が鳴り響くドラマティックな音風景も同時に実現。核心がまるでどこにあるのかわからない得体の知れないエネルギーも筆舌しがたいぐらいだ。手に入れた激重と密度による壮大なプログレシッヴ・ドゥームが作品を締めくくる「Requiem」にしても静かに内面を抉りながら、凄まじいまでの虚脱感が心身を襲う名曲。底知れぬ涅槃をまざまざと思い知らされる作品に仕上がっている。既にNeurosisの境地まで達していることを証明しているかのようでもある。


Ritual Fires of Abandonment

The Ritual Fires of Abandonment(2007)

    まるで濃密な一瞬が永遠に続けられていくかのような絶景の涅槃ドゥーム。サイケな雰囲気を創り上げる激遅激重のスラッジリフとトライバル・ビートに乗せて広がるスピリチュアルなサウンドが暗褐色の殺伐たる景観へと地表を再構築する。人々はこの呪術的な空間の中でもがき苦しみ、彷徨い、意識を失っていく。精神錯乱状態へと陥れるほどの強烈なカルト臭を放つ儀式的サウンドなのである。ひどく充満したこの真っ暗な闇に押し潰されそうな約60分の残酷な時が刻まれ続ける。 不穏、暗黒、絶望、陰鬱、苦悩、狂気などの負のキーワードが浮かんでくる邪悪な世界が繰り広げられながらも、シンセやサンプリングで抽象的な演出を加えることにより美しさを感じさせてくれる。ドゥームとはいえ、現代風に洗練された感じがこの濃厚な暗闇に対しての唯一の救いであるかも。けれども、冥蒙な楽園が目の前に広がるかのようなこの音楽、迂闊に足を踏み入れてはなりません。余計な中毒に犯されてしまいますからね。

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