Moodymann ‐‐Review‐‐

デトロイト・テクノでひたすら異彩を放つ奇才Kenny Dixon JRによるプロジェクト。


collection

Collection(2006)

 漆黒のディープ・ハウスと評されるデトロイト・テクノの奇才中の奇才・Moodymann自身がセレクトした30曲から成るBEST盤的なMIX-CDで初期の作品から未発表音源まで収録されている。

 本作は1曲1~3分の曲がコンパクトに詰められていて、矢継ぎ早に移り変わっていくのだが、繋ぎの滑らかさや前曲を飲み込みならどんどんとグルーヴが肥大化していくことが特徴だろうか。巧みなサンプリングが背筋から興奮を誘い、じわじわと登りつめていくように快楽と昂揚の果てへと運んでいく。反復の重ね方にしても、快感の繋げ方にしても様々なエッセンスを抽出しているだけあって説得力が違う。心地よいリズム、黒くうねるグルーヴが否応なしに快楽をもたらしてくれる。独特のループ感をさらすベースラインとエレガンスな電子音が絶妙な動きで活性化させ、鼓動を高鳴らせるリズムが優しく響き、麗しいエレピの旋律が胸に染み、色気のある女性の歌声と中空を舞う艶やかなサックスが体の底から興奮を呼ぶ。何度となく登場するハンドクラップにしても、子供の声や鳥のさえずりにしたって、闇鍋の重要な食材になっている。ディスコ・ハウスの世界はもちろんだが、ソウル・ファンク~ジャズのニュアンスまで網羅した奇妙な世界観とグルーヴはそんじょそこらとはわけが違いますな。その中でも特に電子音による豊かなハーモニーが最高に気持ちいい代表曲#7「Black Mahogany」が素晴らしい。何度も耳を傾けたくなる一枚です。

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