Mystery Jets ‐‐Review‐‐

ロンドンのテムズ川浮かぶ孤島イールパイ・アイランド出身の5人組ロックバンド。80’sへの憧憬を露わにしたポップでロックなサウンドが軸だが、奥ゆかしいプログレの影響やニューウェイヴ風の隠し味をつけながらいい意味で磨きこまれたロックを奏でているバンドである。


Serotonin

Serotonin(2010)

 UKの5人組ロック・バンド、ミステリー・ジェッツの2年ぶりとなる3rdフルアルバム。今作よりRough Tradeへと移籍している。過去作は未聴だが、瑞々しい感触と機能性の高いポップスとロックの融合が、やたら親しげに耳に馴染んでくる作品というのが第一印象。どこまでも磨きこまれたメロディが次々と鳴らされ、AOR~80年代辺りの影響を感じさせるヴォーカルが透明感と伸びのある歌声でスムーズに楽曲をリード。Cribsともタメを張る様な力強いUKロックを威勢よく掻き鳴らす場面もあるけど、勇壮なコーラスワークや浮遊感あるキーボードやチープなシンセの挟み方、ニューウェイヴ風の下地、徐々に滲みだす奥ゆかしいプログレの感性が楽曲から見え隠れする。それをバランスよく整えながら、キャッチーに伝えるのが本当に巧い。キラキラとした光の粒が温かい風に乗って辺り一面を輝かせるような、そんな感覚を彼等の音楽からは覚えてしまう。様々な要素の折り重ねが甘いポップの果実となり、さらに純化された美しいメロディと煌びやかなアレンジを加えることで万人を取り込める王道のポップ・ロックへ。全曲が贅沢なほどの瑞々しさに溢れた良い作品である。

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