Nice Nice ‐‐Review‐‐

ポートランド出身のギタリストとパーカッショニストの2人組がWARPよりデビュー。Battles~Lightning Bolt~Gang Gang Danceにエレクトロ、クラウト・ロック、ミニマルなどを咀嚼しながら原子のエネルギーでぶっぱなすその音楽に恐いものはなにもない。


EXTRA WOW [解説付・ボーナストラック3曲収録 / 特別プライス国内盤] (BRC251LTD)

Extra Wow(2010)

 WARPから送り込まれた2人組のデビュー作。凄まじい混沌を呼ぶ、強力なパワーをもったサウンドである。即効性の高い音の洪水にまず驚かされてしまった。プリミティヴな力を持ったトライヴァルなリズムが攻撃的に打ち込まれ、どんどんと突き上げていく。そして、騒乱のギターノイズがまた激しく鳴り響き、シンセの煌きや多彩なサンプリング音を交えながら摩訶不思議なパワーを作品に寄与していく。ヴォーカルも入っているが楽器として扱っている感じで脇役でしかない。むしろ、この音楽は脇役の集合体でとてつもなく豪快なサウンドを創り上げているような気さえする。

 とにかく躍動感が半端なく、細胞ひとつひとつに訴えかけているようにさえ感じてしまう。BattlesとLightning Boltを合体させたような感じの作風といってしまえばわかりやすいかもしれないが、サイケ、ミニマル、クラウト・ロック、テクノ、ノイズ、インディー・ロックとあらゆるものを糧にしながら反復と膨張を繰り返して、築き上げるエクスペリメンタル・ロックはさらにプリミティヴな破壊力を有している印象だ。その複雑な構成要素を巧みに利用して曲を組み立てていくのは、理知的な構築力があってこそ成せる業だが、楽曲の豪快さがそういった叡智の部分をオブラートに包んでいる事に起因する。おそらくこれも計算されていることだろう。序盤からグイグイと牽引していくリズムの強靭さと重層的なサウンドには恐れ入るし、中盤辺りではダイナミックにサイケを花開かせていくのも興味深い。そして、”ライヴ感”を特に強く感じさせてくれるのが一番惹かれる要因であって、一刻も早くこの音楽を体感してみたいと思わせるエネルギーを持っている事をとにかく称賛したい

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