NOCTURNAL BLOODLUST ‐‐Review‐‐

ラウドロック系バンドからヴィジュアル系へと歩みを進めた異色の5人組バンド。デスコアを基盤に、先鋭的なエクストリーム・ミュージックを追求している。2014年12月に2ndフルアルバム『THE OMNIGOD』をリリース。


THE OMNIGOD [通常盤]

THE OMNIGOD(2014)

 ラウドロック系から何故かバリバリのメイクを施してヴィジュアル系へと転身した5人組の2ndフルアルバム。この楽曲を中核にアルバムの世界観が広がっていったという#7「GENESIS」を聴けば、彼等の音楽性が自ずと理解できるだろう。デスコアやメロデスを基盤とし、モダンヘヴィネスやスクリーモ、シンフォニック・メタル等をぶち込み、ここにヴィジュアル系の耽美さを引き算というよりは、掛け算にして回収。自身のルーツとなった音楽に敬意を払いつつ、個性的なエクストリーム・ミュージックへと集約している。

 多彩なデスヴォイスとエモーショナルな歌唱、そして楽器陣の高いテクが可能とする目まぐるしい展開。さらにはギターソロをほとんどの曲に導入する拘りも見せている。Djentルなリフを多用する#2「Punch me if you can」、最近のthe GazettEのようなデジタルなアレンジ入れつつもちょいマキシマムザホルモン的な要素もあり、ベースソロも入る#4「T.Y.R.A.N.T」など曲単位での仕掛けも耳を引くどころだろう。しかも意外とハードコアよりもメタル寄りな印象。近年のラウド系のトレンドを丁寧に抑えた楽曲群はかなり練られて構成されていて、実力派や異端児といった表現も納得する出来栄えである。

 極めつけは中間辺りで「パァールライスッ!」とスクリームすることで全世界にお米の素晴らしさを宣伝する#10「I-V-III」。暴虐耽美な曲調にシンフォニックなアレンジが勇壮さを加味する佳曲で、全農が感謝状を差し出すのも時間の問題か。さらには#13「Linaria」のような壮大でメロディアスな楽曲をラストに持ってくるこれるのも彼等の強み。アグレッシヴな楽曲が大半を占める中で、こうして聴き手の内心を転がす余裕もある。これが彼等流のエクストリーム・ミュージック。ノクブラヤッホー!と亡きモエヤンも叫びたくなる全13曲を収録した快作である。

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