Nothing ‐‐Review‐‐

元Deafheavenのメンバーであり、現Whirrを引きいるNick Bassettを擁するシューゲイザー・バンド。重量感のある幻想的シューゲイザー・サウンドを展開し、これから多くの人々にときめきを与えていく存在。


Tired of Tomorrow

Tired Of Tomorrow(2016)

 約2年ぶりとなる2ndフルアルバム。前作にてレビューで低評価を下したPitchforkに◯ァック言うておりましたが、昨年はNick Bassett君が余計なところにもファ◯ク言ってしまい、別バンドでレーベルから契約を切られる事件も・・・。ただ、こちらでは変わらずにRelapseからリリースされてます(レーベルカラー的に相変わらず違和感はあるがw)

  前作と比較すれば、歌もの要素・シューゲイザー要素の増量を感じるところでしょう。行き場を失うほどのギターの壁に覆われることは多いですが、作品は後半に進むに連れて穏やかな温かみとノスタルジーが強まります。春風が心地よく吹き抜けるほどに風通しが良くて、歌心がはっきりと伝わる。ハードコアやグランジ風味の重さや黒さが薄れてるのは、狙ってのことでしょう(他のシューゲ系バンドにはないレベルはキープしています)。聴いているとシューゲイザー要素の強いインディー・ロック的な感覚が近いでしょうか。

 #5「Nineteen Ninety Heaven」や#8「Everyone Is Happy」においては、優しさ症候群ともいうべきしっとりとした歌を聴かせてくれます。ラストに置かれた表題曲の#10「Tired Of Tomorrow」ではなんとピアノとストリングスを導入し、切々と歌い上げる。その様からは新たなフェーズへの移行をはっきりと感じ取れます。僕としては前作の方が好みでありますが、各方面への訴求力としてはやはり本作の方が上かな。ちなみに今回はPitchforkも8.0つけてるし、ファッ◯ではなくThanksといってる(笑)。


Guilty of Everything

Guilty of Everything(2014)

 元Deafheavenのメンバーであり、現Whirrを引きいるNick Bassettを擁するシューゲイザー・バンドの1stフルアルバム。プロデュースに、Kurt Vile, War On Drugs等を手掛けるJeff Zeiglerを起用している。まず本作の何が驚くかって、あのエクストリーム系のメタル・レーベルであるRelapseからリリースされていること。前述のWhirrにしても”Tee Pee Records”っていう、Earthless等のサイケデリック・バンドを多数輩出しているところから発売されているのだが、良い作品はレーベルの垣根を超えていくということなのでしょう。

 Relapseの紹介文では、”My Bloody Valentine with Jesu”という表現もされていますが、メンバーの出自も手伝ったかなりの重量感、そして幻想的なサウンド構築は極上の浮遊感をもたらしています。空間が歪む轟音ギターは、激しさを伴いながらも深い陶酔感を誘う。それにパンキッシュ~ハードコアの衝動も持ち合わせていて、メロディはシューゲ特有の甘美さに落とし込まれています。また、曲の端々からはジザメリやスマパンといったバンドからの影響も伺え、グランジっぽい薫りを漂わすこともあったり。夢見心地の安らぎ、初期衝動、作品にはそれらが上手く封じ込められていると感じます。

 特に本作では#2「Dig」が傑出。鼓膜を圧するヘヴィ・シューゲイズに極上の浮遊感が加わり、リバーヴのかかった物憂げな歌声が白昼夢へと誘います。まさしく彼等を世界中へと知らしめる名刺代わりの1曲。Chapterhouse~Painsまでが駆け巡る蒼い疾走チューン#3「Bent Nail」、初期のWhirrがフラッシュバックするとろける甘美シューゲイズ#5「Somersault」、儚さと虚無感を孕みながらも美しい轟音ギターが全てを昇華する#9「Guilty Of Everything」と他の楽曲も粒揃い。

 なかなかに振り幅のあるオルタナ系シューゲイザーということで、Ringo Deathstarの1st『Colour Trip』が近しいような気が個人的にはしています。Nothingの場合はもちろんあれほど陽性では無く、もっと陰りを帯びていて 儚く繊細ではありますが。常に俯き加減でダークな質感に統一されているのもクール。また、reviewで”6.9″をつけられたことで、メンバーが”Fuck Pitchfork. Fuck Ian Cohen”と怒りを露わにしていたPitchforkでは、”Heavy Dream-Pop” or “Blustery Shoegaze(荒れ狂うシューゲイズ)”という表現をしていたのが印象深い。「全てのものが罪である」というタイトル通りに、聴かないのは罪という彼等の強い主張が聞こえてくるほどに、本作の完成度は高く、万人を虜にする魅力に溢れています。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でGrumble Monsterをフォローしよう!

スポンサーリンク


▼ フォローする