Omar Rodriguez Lopez ‐‐Review‐‐

Mars Volta(マーズ・ヴォルタ)のギタリストであり、頭脳として君臨している存在。ソロ活動では果てぬ創造力の宇宙と並々ならぬ制作意欲と実験精神で次々と作品を発表している。


OMAR RODRIGUEZ LOPEZ & JOHN FRUSCIANTE (オマー・ロドリゲス・ロペス & ジョン・フルシアンテ)

Omar Rodriguez Lopez & John Frusciante(2010)

 現シーンにおいて比類なき存在感を示すマーズ・ヴォルタのオマー・ロドリゲス・ロペス、惜しくもレッチリから脱退したジョン・フルシアンテの奇跡のコラボレーション作品。以前から深い交流があったという2人が2003年春に録音した作品だそう。その頃はもちろんジョンはレッチリに在籍していたし、オマーもまだマーズ・ヴォルタを始めたばかりにあたる。

 そんな本作は、手触りといえばジョン・フルシアンテのソロ作品の方が近いイメージ。記号の羅列のような曲名からして意味深だが、たゆたうようなリズムに哀愁の音色が不思議な解脱感というものをもたらしてくれる。決してテクニックに陥らない、ギターによる絵画の如き趣。主旋律を奏でるギターを軸にして(どちらが弾いているかはよくわからない)、そこにもう一本のギターやサンプリングが詩的なタッチで寄り添い、彩色を施していく。音の隙間からも、メロディが零れてくるようにさえ感じるつくり。2人が自然に奏でる音の触れ合いが穏やかに独創的かつミステリアスな発展を遂げていくのだから、不思議なものである。それも両者のセンスの成せる業か、シンプルに響くようで前衛的な要素は強い。音の重ね方やフレーズからは随所に2人の感覚の鋭さを感じさせる。

  ジョンのアート感覚を湛えた、また枯れた哀愁を放つギターに、オマーの果てぬ創造力とセンスの共存共栄が見事な結果となって音に反映されている。物静かなサウンドの節々に忍ばせた情感もまた豊か。アコースティックギターから独特のエモーションがたちこめる#2,フリーキーなギターが不可思議に動き回り高鳴る#4が個人的にお気に入りの曲で、全体としても極めてアーティスティックな1枚だと思う。派手に音を重ねる、また超絶技巧とは無縁の孤高の音であり、聴き手の鼓動に共鳴してパーソナルな部分にまで踏み込んでいく本作は、何度も聴き返したくなるような中毒性も持ち併せている。7曲で約28分という物足りなさはあるが、ここまで胸に染み入ってくるような作品だとは思ってもいなかった。

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