ドイツのダウンテンポ/インストゥルメンタル・スラッジバンド4人組。
Karpartia(2011)
前作に引き続いてDenovaliからリリースされた3年ぶりの2ndアルバム。例えるならインストゥルメンタル・スラッジとも表現すべき、Lentoにも通ずる重い轟音インストで鼓膜を蹂躙する。ゆったりとしたスロウテンポから激重リフの連続で次々と巨大な音の津波が覆いかぶさってくる様は圧巻としか言いようがないだろう。それこそLentoに接近するぐらいの重みと迫力を感じるものなんだから。ただ、あちらのようにアンビエントに熱心に取り組んではないが。
本作はフリーダウンロード可能の1stアルバムの流れを汲み、饒舌なまでの静と動のダイナミズムと息を呑むような緊迫感に拍車がかかった内容である。8~10分の曲が4曲に3分台の短尺の曲が2曲、それにラストはボートラのような形でJesuのようなエレクトロニクスとヘヴィロックの美しい邂逅が果たされた#5のリミックス・テイクを収録(ジャスティンがリミックスしたわけではない)した全7曲約50分。美しいアルペジオやトレモロも用いた凪のような静謐なパートはそれこそ時が止まるぐらいに穏やかさを感じるものだが、一旦スイッチが入ってからの破壊的な轟音が鳴らされてからは風景と時間が完璧に塗り替えられ、震撼する。この重みと圧力はかなりの衝撃力を誇っていて、ゴリゴリの重低音が落差を生かしたドラマティックな展開と共に鳴らされるのはPelicanの1stアルバムに近い印象。しかし、あの時のPelicanよりも重低音の殺力と漆黒度は高く、極端に暗い世界を描き出している。特に圧巻なのは#4と#6で恐怖と快楽を同時に味わう巨大なスケールに飲み込まれ、思わず五感が痺れて言葉を失う。UFOmammutやLentにも勝るとも劣らないドイツの怪物、ここにありを証明する重い快作。
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