ONE OK ROCK ‐‐Review‐‐

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2005年に結成されたエモ/ラウドロック・バンド。そのアグレッシヴなサウンドとメッセージ性の強い歌詞で人気を集め、現在の日本のロック・シーンで最も勢いに乗る存在。近年では海外進出も果たしている。

レビュー作品

> 35xxxv Deluxe Edition > 35xxxv > 人生x僕= > 残響リファレンス > Nicheシンドローム


 

 

35xxxv Deluxe Edition

35xxxv Deluxe Edition(2015)

 WARNER BROS. RECORDSと契約しての北米デビュー・アルバム。内容は7thアルバム『35xxxv』が全て英詞に変更され、未発表2曲のボーナストラックも収録した全15曲。それに伴った歌い直しがされているわけですが、言葉の響きが若干変わることで、違った角度から聴こえてくる感じがあって新鮮です。特に「Cry Out」や「Mighty Long Fall」、「Heartache」辺り。っていうかもともと英詞で歌ってた部分も海外向けに少し変わっている気がしないでもない。「Decision」に至ってはTyler Carterが、日本語詞だった2番をまるまる歌うという展開でさすがに驚いた。しっとりとメロディアスな曲調で聴かせる#14「Last Dance」、勢いのあるオルタナロック的#15「The Way Back」と新曲2曲にしても良い仕事ぶり。輸入盤ということで値段が安いので、入門編としてオススメできる1枚だと思います。しかし、英詞&海外仕様への変化は賛否両論があるわけですが、Takaの歌声は変わらずの魅力を放って一番の武器であリ続けている。ただ、このスタイルは正解であって正解ではないというところなんでしょうね。


35xxxv

35xxxv(2015)

  レコーディングから海外仕様という約2年ぶりの通算7枚目。プロデューサーはあえて1人にも絞らずにJohn Feldmannを始め、Colin Brittain、Jordan Schmidt、Jude Coleなど複数人を起用し、マスタリングはかのTed Jensenが務めている。まあ、スティーヴィー・ワンダーがワンオクをパクるぐらい人気なわけですし(笑)。

 前作の「人生×君=」で海外のマーケットを意識した作風にシフトしていたけど、本作はその延長上にあることは確かで、英語詞やデジタル音がさらに増している。巷で評判の通りに、アメリカナイズドの進行は感じるところだし、洋楽既聴感は否めないところもあるだろう。ただ、思うのは自分達が国内外を通した肌で感じた「カッコいいロック」に焦点を当てて磨きあげたこと。アウターいらずの熱暴走気味エモーションを発露するTakaのヴォーカルを筆頭に構成されるサウンドは、きっちりとビルドアップして積み上げ。それこそスタジアム級のスケール感を持ったものに昇華されている。るろ剣の映画主題歌となった#5「Mighty Long Fall」、さらに#8「Decision」や#13「Fight the night」辺りは壮大と言いたくなるものだろう。

 しかし、いくら国外に意識を置いているとはいえ、骨太でいて軽快、そしてストレートでわかりやすいというサウンドにはしっかりと着陸している。特に#3「Cry out」の初期The Usedと比肩するエモーショナルさは、Takaがクライアウさんを襲名するレベル。また、彼等からの贈り物のような華美で温かいバラード#6「Heartache」にもほっこりとする。ポップ色が薄れたことは、より本格化したと捉えられるし、日本人が体現する海外ラウドロックのロマンティシズムが詰まった作品じゃないかなと思う。アウェイで戦おうという意志が十分に表れている。

 ちなみにSleeping with SirensのKellin Quinnをゲストボーカルに迎えた#9『Paper Planes』というダンサブルな異色曲もあるが、これはファッションでいうなら「外しのテク」ということで解決。


人生x僕= (通常盤)

人生x僕=(2013)

 今、最も旬で勢いのある若手バンドの通算6枚目のアルバム。タイトル『人生×僕=』は、<人生かけて僕は>と読むらしい。前作よりも海外向けの音楽(いわゆる洋楽リスナーが好みそうな感じ)にシフト。英語詞増量は海外市場への意識の大きさゆえか。

 しかしながら、バンドの勢いそのままのエネルギッシュな姿勢が出ている。序盤の#2「Ending Story??」から映画「るろうに剣心」の主題歌であるワンオク必殺曲#4「The Beginning」の流れは文句なし。Takaのエモーショナン全開のヴォーカルも変わらずだ。前作『残響リファレンス』を上回る重厚なサウンドに加え、随所でピアノやストリングスを見事に活かしており、アレンジも繊細にまとまっている。

 それにヒップホップやエレクトロニクスといった要素への柔軟な対応も見せ、決してラウドロック一辺倒で収まることなく作品を形成。#8「Juvenile」や#12「69」のような意表をつく変化球には驚かされたし、アコースティック調の美しいスロウナンバー#6「Be the light」で涙腺を緩ませにもかかる。これまでの情緒的な面も、しっかりと結晶化されているといえるだろう。全体を通してのメリハリのついた構成で衝撃とメロウさを振りまいている。

 感じるのは、音が一回りも二回りもタフになったこと。#11「Deeper Deeper」を初めて聴いたときは、これまでの疾走感に重厚さがプラスされていて、驚かされたもの。ミキシングを担当したジョン・フェルドマンの助力もあると思うが、多様な魅せ方をしながらもストレートに伝わってくるのが彼等の強み。日本で不動の地位を手にした者達が、着実な進化を刻んだ作品であることは疑いようがない。


残響リファレンス

残響リファレンス(2011)

  成功への足がかりとなった前作『Nicheシンドローム』から約1年4ヶ月ぶりとなった5thアルバム。#3「アンサイズニア」や#8「Re:make」 といったバンドの爆発的な勢いが表れた、2枚のシングルを収録している。マスタリングには、かのTed Jensenを起用。

 初期The UsedやStory Of The Yearなど、00年代の洋楽ラウドロック~スクリーモ総ざらい的なサウンドに、Takaの過剰なまでにエモいヴォーカル、上質なメロディセンスで仕上げるのが特徴の彼等。魂まるごとぶん投げるような熱量に満ちた傑作の前アルバムと比べて、本作は洗練したことでの充実を感じる内容である。勢いを持続しつつ “聴かせる”ことへの意識向上。武道館公演を経た上で感じたスケール感の強化を図ったそうだが、ラウドなサウンドの中にポップな情緒が宿る#5「C.h.a.o.s.m.y.t.h.」、ストリングスまで導入したミディアム・バラード#9「Pierce」といった曲がその進化を物語る。

 とはいえ、研ぎ澄まされたラウド・ロックによるストレートな衝動は、バンドの最大の持ち味。前述のシングル曲に加えて、#2「LOST AND FOUND」辺りは情熱とスピード感で引っ張ってくれる。ワンオクを聴く醍醐味は、やはりこういうこと。なんだかんだ作品を出すごとにスケール感と説得力とカッコ良さを増していく。こういうバンドはなかなかいないわけで、だからこそワンオクは支持を拡大していくのだろう。

 全編打ち込みを利用した#7「世間知らずの宇宙飛行士」、という冒険、ラストを締めくくる爽快なロック・チューン#11「キミシダイ列車」も新鮮である。


 

 

Nicheシンドローム

Nicheシンドローム(2010)

 前作『感情エフェクト』より約1年7ヶ月ぶりとなる4thフルアルバム。週間チャートで初のトップ10入りを記録し、彼等の成功の足がかりとなった傑作である。

 テン年代の邦楽ロックシーンに欠かせない名曲#3「完全感覚Dreamer」を中心に、オレたちの存在意義を叩きつけてやる感を過剰分泌。パンクやミクスチャーっぽさもあった以前の作風と比べてラウドロック成分を増強し、SUM41からの影響もあるのかメタリックな感触もある。さらにはエモ排気量20000ccぐらいの突き抜け具合に、バンドのいい意味でのヤンチャ感も重要なファクター。その中枢を担うTakaの表現力豊かでエモーショナルなヴォーカルは、人を惹きつける強い魅力を持つ。何より声質がこういった音楽性に絶妙にマッチしていて、若い子達を中心にメロメロにさせているのも頷けるなと。

 #2「Never Let This Go」の爆発的な加速力、本作のリード曲である#8「Liar」で獲得したスケール感、今では海外公演で大合唱が巻き起こるバラード・チューン#9「Wherever you are」の美しさ、少し前のスクリーモを思い出させる#10「Riot!!!」の懐かしさ。さらに日本人ならではの味やメロディが生きる初期だからこその佳曲#12「未完成交響曲」と楽曲は粒ぞろい。そして、いずれもが超エネルギッシュだ。

 カベをヤミをこれからもぶっ壊していくさ!!精神で作り上げた渾身の作品だろう。前述したように傑出したシングル#3を収録していることもあるが、本作を最高傑作にあげるファンは多い(気がする)。日本的な要素と外国的な要素がギリギリで均衡が取れていて、その上で若さゆえの尖り具合と初期衝動が絶妙にマッチしたことでのバランス感覚があるのが要因かと推測する。

 本作以降、ワンオクは本格的に海外へと意識を置いた作風・活動へと移っていく。険しい道を選びながらも人気を拡大。さらに大きな成功を手にするのである。

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