Oneohtrix Point Never ‐‐Review‐‐

数々のプロジェクトを進行させるDaniel Lopatinのソロ・プロジェクト。


Replica

Replica(2011)

   ダニエル・ロパーティンによるソロ・プロジェクトの2011年発表の5thアルバム(過去作は未聴)。彼の作品は別ユニットのFord&Lopartinのみ聴いているが、そちらは非常に耳馴染みがよく親しみやすいシンセ・ポップがとても印象的であった。こちらのOneohtrix Point Neverでは、以前の作品がEditions Megoからリリースされている通り(本作は自身のレーベルSOFTWAREから発売)に実験性の高いドローン/アンビエントを構築している。

 ノイズの粒が揺らめき浮遊し、柔らかなエレクトロニクスを交配。クラウト・ロック~エレクトロニカ通過型の電子音響から心地よいベッドルーム・ミュージック、エレガンスな音のヴェールに包まれていく。ミニマルな展開の中でピアノや様々な効果音をコラージュし、遊び心のあるヴォイス・サンプリングも導入しながらユーモラスに楽曲を引き立てている。曲尺も3~5分とこの手のタイプにしては良心的で、多彩かつ自由な音響はリラクゼーション効果とイマジネーションの刺激、この2つを聴き手に提供してくれているかのよう。遅効性の毒が仕込まれているかの如くゆっくりとドラッギーな恍惚感を誘う辺りも巧い。特に本作ではポストクラシカル風の奥ゆかしいピアノのループに美しい電子音が邂逅する#5「Replica」が白眉。明らかに異質な感覚を持っている作品だが、バラエティに富んでいて聴きやすい不思議なバランスを保っているのは創り手のセンスなんだろうなと思う。

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