The Pains of Being Pure At Heart ‐‐Review‐‐

NYブルックリンを拠点に活動する4人組シューゲイザー/インディー・ロックバンド。09年に発表したセルフタイトル作品が甘酸っぱい音色と爽快な疾走感を武器にして、全世界のハートをズキューンと打ち抜く事に成功。ここ日本でも2010年初頭に行われた第2回CDショップ大賞洋楽部門の準大賞に選出されている。また、同年2月の初来日公演も高評価を獲得。

レビュー作品

> Belong > The Pains of Being Pure At Heart


Belong

Belong(2011)

   前作で数多の人気を獲得したブルックリンの4人組、ペインズの2年ぶりとなる2ndフルアルバム。ここ日本でも前作が全国のCDショップ店員が選ぶ “CDショップ大賞”の洋楽部門で準大賞を獲得したり、2010年2月に行われた来日公演も成功を収めるなど順風満帆だ。

 本作はプロデューサーにU2,スマッシングパンプキンズを手がけたフラッド、ミックスにマイブラを手がけたアラン・モウルダーを迎えて制作。ノイジーな荒さとオルタナ寄りの力強さを獲得しつつも、前作同様に温かさと懐かしさに心が満たされていく。シューゲイザー、ギターポップ、ネオアコの旨味をさらに凝縮して豊かな音の層を生みだし、瑞々しい疾走感とキラキラのメロディ、柔らかい唄声が春風に乗って耳に届けられる。ペインズ印を何一つ失う事なく、きっちりと諸要素を上乗せして進化。見事なまでのポップさにいい意味でのラフさとラウド感も備えることでサウンドが充実してる。

 本作も甘酸っぱい青春真っただ中の音楽という印象だけど、単純に曲が良い。本当に曲が良い。挨拶代わりのポップ・サイケデリア#1に、心地よい開放感と蒼い感傷に疾走感が伴う#2、#3という流れは完璧の一言。その時点で心は鷲掴みにされる。ダイナミックな力強さと甘美で可憐な装飾が見事に一つに結びつく辺りは巧いなあ。空間の塗り分け方もお洒落なメロディの配し方もお上手な事。そして、愚直なまでにピュアでストレートに胸に響くので爽快この上ない。聴いててキュンキュンと来るのがやっぱりペインズのいいところであります。煌びやかなシンセの音色と軽やかな疾走感があまりにも良すぎる#4、#7もインパクトが大きいし、オルタナ寄りの地に足着いた強さを発揮した#8も新鮮。スムーズに全10曲が聴き通せる流れの良さ、さらにその質の高さも含めて本作も前作に負けないぐらい快作であると思う。ネオ・シューゲイザー/ニューゲイザーの垣根を越えて今聴かれるインディ・ポップ、これはオススメです。


Pains of Being Pure at Heart

The Pains of Being Pure At Heart(2009)

   NYブルックリンを拠点に活動するPains~の1stフルアルバム。Rideの瑞々しい疾走感とジザメリ直系のノイズ・ギターの融合、それを見事なまでにインディ・ロックに寄り添った形で掻き鳴らすのが何ともツボ。青春時代の淡い思い出を美しく蘇らせる様なピュアな音色に心が見事に打ち抜かれる。自らの音楽性をMy Bloody Valentineの”Paint A Rainbow(マイブラの初期曲)”と評しているみたいだが、荒々しいギターを鳴らし、甘美なメロディを奏でながらも草原を力強くも軽やかに駆け行く感覚がフレッシュでとても良い。軸のひとつである男性の細くも端正な歌声にしてもすっと耳に入り、甘~い女性ヴォーカルがふわっと被さっていき愛らしいハーモニーを奏でる所なんかはVaselinesを髣髴とさせる。ホント、どストレートもいいとこの甘酸っぱい一撃。ローファイ+シューゲ風のみならず、アコギのフレーズがネオアコっぽさを醸し、ややスカスカした音の配置の仕方もすっきりとした感覚や浮遊感を与えているのもポイントだろうか。しかし、全編にわたって一番に気を遣われているのは聴き手に対してキャッチーに音を届けることであると思うし、だからか高純度のメロディの質は本当に高い。

 美しくポップに幕開けを飾る#1にガレージ系の荒さも持った疾走曲#2で本作のつかみは十分。センチメンタルなクリーンギターが綺麗な円弧を描く#5やフォーキーな感触で彩った#6といった落ち着いた曲もバランスを取り、全体の流れをスムーズにしている。お休み前にガレージっぽい荒さもみせる#9、ドリーミーなラストを迎える#10と10曲で35分と短めだが、淡い思い出を過らせるサウンドはインパクトが大きい。感傷的なメロディに加えて轟音による昂揚、さらにはそよ風のような軽やかさ、ふわっとした開放感、明るくポジティヴなフィーリングと多岐の感覚と気持ちを満たす見事な一枚である。透徹としたポップと無垢なロックの両軸が機能した楽曲群は眩しいほどにピュア。本当に清々しく爽快な気分になれる作品だ。

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