Portia fading ‐‐Review‐‐

2012年に結成された東京のエモ/ポストハードコア・バンド。クリーントーンのギターや中性的な魅力を放つヴォーカルを軸に切なく美しいサウンドを奏でている。2014年夏に1stアルバム『breath flows caressing a lips pour saliva』をリリース。


breathflows

breath flows caressing a lips pour saliva(2014)

 

 東京のエモ/ポストハードコア・バンドの1stアルバム(全7曲収録)。何気な~くBandcampで聴いた#2「In Thousand Lights」にここまで心を掴まれるとは・・・自分でも驚き。クリーントーンのギターを中心に紡がれるサウンド、そして中性的な魅力を放つヴォーカルによる透徹とした美しさ、それでいてブレない芯の強さを感じさせるこの曲によって、一気にPortia fadingというバンドに引きこまれてしまった。

 続く#3「Hurt Skips」にしても、#6「Doppelganger」にしてもナイーヴな感傷が渦巻くものだが、メロディの良さを基軸に綴られている。音楽的にはエモ、ポストハードコア、ポストロックといった言葉に結び付けられるものだと思う。だが、過剰に攻撃的に振る舞ったりするわけではなく、シンプルに旨味を引き出しているといえるだろうか。90’s EMOやポストハードコアを巧みに掛けあわせながらも、美しい情感に溢れた真っ直ぐな曲が揃っている。その中で職人的な丁寧さを感じさせるのも、彼等の特徴なのかもしれない。

 中盤以降の煌めく水面のようなツインギターと動き回るベースラインが印象的な#4「Half That Halve Me In」は切なく胸に響き、ダイナミックな表現から温かく優しいラストを迎える#7「Ruins Of Lion」にしてもしみじみと耳に馴染む。シリアスな風情を持ち込むこともあれど、全編にわたって儚く淡い光に照らされているような感触と心地良い浮遊感があるように思う。それに前述したように無垢なメロディが根底を支えていることが大きい。1stアルバムにして円熟味すら感じさせるもので、腰を据えてじっくりと噛みしめながら聴きたい作品だ。

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