Portishead ‐‐Review‐‐

1991年に結成されたブリストル出身のトリップホップ・バンド。これまでに発表した『Dummy』、『Portishead』はどちらも傑作といわれており、世界各地で大きな影響を及ぼしている。長き沈黙を経て2008年には、実に11年ぶりとなる『Third』がリリースされた。


Third

Third(2008)

 前作より約11年ぶりに発表した3枚目の作品。長い歳月を経て生まれた本作は、その空白を関係なしに十分すぎるほどのクオリティと独創性を発揮した気高い作品であると思う。簡単に説明すればサンプリングを排除し、生演奏を編集した音楽荘厳で陰鬱な音楽。冷たいビートが背筋を凍らせてくれるし、耽美な色香を放つ魔性の歌声に奇妙な艶かしさを覚える。一度でも耳にしてしまうと、どこまで進んでも暗闇から抜け出すことはできず、迷宮の中を彷徨っているような感覚を植え付けられる。Portsiheadの音楽は人の体温を全く感じさせてくれない。温もりなんて一切無く、徹底した病みっぷり。そして精神をこれでもかというぐらい侵食し、コントロールする。全曲どれもが負の情念に満ちており、特に奈落の底へ突き落とすような#6や全身を鋭敏に刺激する#8はかなり強烈で印象に残る。

 想像以上に重く冷淡な音であることは間違いないし、それが辺り一面を完璧な闇へと否応なしに染め上げる。10年にもわたった長き月日がより深い闇を作り上げてしまったとも個人的には思えてならない。この世界観は暗澹冥濛の境地、この完璧なまでの美しさに恐怖を覚えてしまう逸品だ。

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