Raein ‐‐Review‐‐

La Quiete、Neil On Impressionのメンバーが在籍するイタリアの激情ハードコア最高峰。


sulla

Sulla Linea D’Orizzonte Tra Questa Mia Vita E Quella Di Tutti(2011)

   活動休止から目覚めての2作目となる通算4枚目のフルアルバム。La QuieteにしてもNeil On ImpressionにしてもこのRaeinにしてもmyspaceやyoutubeでちょくちょくチェックはしているが、作品を通して聴くのは初である。

 イタリアのみならずユーロ圏の激情ハードコアシーンの最高峰に登りつめたと言われるほどに、突き抜けたカオティックさと驚くほどの美麗さが折り重なるサウンドで絶大な人気を誇った彼等。リユニオンしての2作目にあたる本作は、根幹となる激情ハードコアの要素にNeil On Impressionで聴かせるポストロックの美、さらにはGet Up Kids辺りを思わせるエモ色を強く感じる仕上がり。静と動を滑らかに行き来し、焦燥感を滲ませた絶叫に引っ張られる形であるが、驚くほどのメロウさとストレートに響くサウンドに体の芯から熱くさせられる。長年培ってきたアンサンブルによるグルーヴはハードコアらしい太さを感じさせ、当然ながら強烈。そしてなんといっても琴線に響く泣きの旋律の連続が優しさを持って鼓膜を包み込む。

 迸る疾走感や感情を炸裂させまくる絶叫がカオティックな威力を示しながらも、メロウさが貫かれた始まりの#1は最高だし、自在の緩急と共に涙腺決壊必至のドラマを綴る#5がまた印象的。#2で出てくるイタリア語による語りもまた新鮮である。それに#6での肩を組んでの陽気なコーラスを始めとして、バンドとの一体感を感じられる場面も度々出てくる。より叙情性やエモに重きを置いたことで豊かなドラマ性を紡ぐことになり、新しい層へ訴えかける内容になったはず。とはいえ、かつてのファンからすれば厳しい評価が下されそうな内容であることも否定できないが。しかしながら、オフィシャル・サイトより無料ダウンロードできる姿勢、そして活動再開から今なお前進しようとするバンドの心意気もまた評価したいところだ。


nya

Il N’y A Pas De Orchestre(2004)

 イタリアの激情系ハードコアの最高峰バンドの最高傑作とされる2ndアルバム。#1「The Tree」の冒頭の絶叫からテンションが凄え・・・。鬼気迫るとはこのことと言わんばかりの獣の雄叫び、そして速射砲のようなリフと脅威のスピード。あらゆるものを突き崩し、薙ぎ倒すその音は欧州のみならず世界をも巻き込んだのはみなが知る所だろう。一旦、スイッチが入ると手がつけられないぐらいに破壊力が段違いであるし、マグマの様な熱情もまた然り。わずか100秒強で仕留める#1「The Tree」、#6「Tetraedycal Fluctuating Faster Than The Speed Of Light」は強力以外の何ものでもない。

 とはいえ、単なる勢い任せじゃないのがこのバンドの評価を決定づけているところだろう。絶妙な緩急を使った構成を取り、カオティックコア系の変則ぶりもお手の物といった感じでキめる。また、動パートを引き立たすように静パートでは、泣きの旋律が儚げに揺れている。なかでも美しきインストゥルメンタル#6「Artmachine Observation Tower」は見事の一言。しかしながら、全身から絞りに絞り出した過剰すぎるエモーションを乗せてぶったたくサウンドに何よりも興奮させられる。本作で一際インパクトの大きい#8「Tigersuit」という名曲も収録しており、今なお欧州激情シーンに燦然と輝いているのも納得の名作だ。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でGrumble Monsterをフォローしよう!