Ride ‐‐Review‐‐

1988年にイギリスのオックスフォードで結成されたロックバンド。My Bloody Valentineに並んでシューゲイザーの代名詞的存在であり、1990年に発表した「Nowhere」は「Loveless」よりも先にシューゲイザーに火をつけた一大傑作である。しかし、その後は作品をリリースするごとに評価を失い、空中分解。結局1996年に解散に追い込まれ、短くも鮮烈なバンドの灯火が消えてしまったのだった。しかしながら、彼等の残した功績は今も色褪せる事無く後世に語り継がれている。


Nowhere

Nowhere(1990)

 あまりにも美しい音の波とあまりにも狂気な音の氾濫が脳内に木霊する。蒼茫な大海から押し寄せる津波のような轟音ギターが耳を劈き、割れんばかりの雄たけびをあげるフィードバック・ノイズは鼓膜を内側から擦り減らす。そして、激しくもしなやかなリズム隊は眠るカオスをよび醒ます。その洪水の如き轟音は甘く美しいメロディと儚げなツインヴォーカルに溶け合って酩酊感を生み出して、この世のどこにも無い夢想快楽空間へと意識を突き動かす。

 空気を震わす音の爆発とメランコリックな美旋律の共存と化学反応、それらが今までに無かった奇跡を起こし、眩いばかりの白光が煌くこの美麗な世界の中で人々は白昼夢を見るのであった。”シューゲイザー” その言葉の意義をリスナーに強烈に突きつける作品となっている。それでいてRideの音楽にはロックの初期衝動、ダイナミズムがしっかりと組み込まれており、ロックであることへの解答も本作で導き出しているようなそんな気さえする。”轟音のロマン、幻想のフリーダム” 彼等の鳴らす最愛の音色は現実と夢の境界を無くしていく・・・

 ロック界にシューゲイザーの炎を点火させた一大傑作。シューゲイザーといえばレーベルの先輩であるMy Bloody Valentineの「Loveless」と並んで必ず話題になる1枚だ。ただセンセーショナルな存在であったRideは、この後ブームの終焉と共に消えていくという悲運の道を辿ることになるが、もうすぐ20年にもなるというのに本作が色褪せることは全く無い。本当に見事な作品だ。

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