Ringo Deathstarr ‐‐Review‐‐

オースティンを拠点に活動するシューゲイザー・バンド。現代に生れしマイブラ、ジザメリ・チルドレン。


カラー・トリップ

Colour Trip(2011)

   09年末にリリースされたミニアルバム『Sparkler』に引き続いて登場した待望のデビューフルアルバム。

 『これがボクらの聴きたかったシューゲイザー!』とシューゲイザー・ディスクガイド監修の黒田氏の言葉が全てを物語っているではないか。甘酸っぱいメロディと歪んだ轟音フィードバック・ギターに男女の淡いウィスパー系ボイスが美しく芳醇なハーモニーを奏で、五感を心地よく幻惑する。まさしくマイブラやジザメリを資本にして、浮遊感と恍惚感のあるシューゲイザーという花を存分に咲かせている。それも一番シューゲイザーが隆盛を誇ったころのあの感覚が根付いている印象。Fleeting Joysを聴いた時もモロだと思ったけど、こちらのリンゴ・デススターもかなりモロな感じ、聴けばみんなそのように思うだろう。

 しかしながら、凄く親近感のあるポップな音色を鳴らすことで自らの果実を身につけており、聴きやすい。そして地に足のついた良さがあるように思う。特にネオアコ的な感触も加味された軽やかな#3を聴くとなおさらそう感じる。春の日差しのような陽性のフィーリングが根付いていて、足元を凝視するわけでなくベクトルがちゃんと聴き手の方向に向いているように思えるのだ。もちろん、儚さと狂気が混じり合うサイケデリアが陶酔をもたらすこともあり、その辺りもシューゲ・マナーにきっちりと則っている。#1、#4はその中でもかなりの佳曲、甘美な音像の中に取り込まれていく。白昼夢に誘う幻想的な#11での締めくくりもいい意味で期待を裏切ってくれて面白い。11曲で33分ほどと全体的にコンパクトにまとめているのも好印象で、聴き応えのある作品に仕上がっている。現代に蘇る黄金期のシューゲイザー、もろっぷりも含めてインパクトは十分でしょう。

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