Rodrigo y Gabriela ‐‐Review‐‐

元々スラッシュメタルをやっていたというメキシコ出身、ロドリーゴさんとガブリエーラさんのアコースティックギターによるインストゥルメンタル・デュオ。しかしながらその豊穣なサウンドから放たれる激流の波動は決してインストだけに収まらない強烈なエナジーが存在する。08年にはついに待望の来日公演も実現し、その存在感を大いにアピールした。

レビュー作品

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11:11 (Dig)

11:11(2009)

 今度は日本盤に『格闘弦』なる称号が与えられたロドリーゴさんとガブリエーラさんの3年半ぶりの作品。無一文からの地道な努力が実り、いつのまにか世界をまたに駆ける存在へと成長した彼等が放つ本作は、ピンク・フロイドやサンタナにジミヘン、そしてパンテラなど11人の偉人への敬意を表した11曲を収めている。

 とはいえ、前作から大きな方法論自体は変わらない。2本のアコースティック・ギターがスリリングに躍動しながら陽性のメロディを奏で、アコギのボディをパーカッシヴに叩いて激情のビートを組み込む彼等の持ち味はそのままだ。ラテン・フラメンコの哀愁と情熱の風がプリミティヴな響きと共に運ばれてくる。そして、異常なロック感とダイナミズムが人間の本能を覚醒させ、アドレナリンが溢れ出す。2本のアコギが織り成す世界はそれほど圧倒的にエモーショナルである。前作同様に、ありとあらゆる部分が始まりから終わりまで釘付けになる内容だ。

 その上に本作では、エレキギターのようにエフェクトをかけて深みを出したり、ピアノやシタールが奥行きを広げたりと弱冠の変相を施している。足りなかった粉を土台に塗したという洗練はあるけれど、彼等の音楽が情熱的であることになんら変わりはなく、アコギの多彩かつ情熱的な音色はよりダイレクトに伝わってくるのだ。彼等の象徴的なナンバー#1を始めとした激情と躍動感に溢れた曲には内側から燃えてくるものがあるし、#4や#11のように官能的でエレガントなメロディが耳を這うスロウな曲ではグッと引き込まれる。やはり凄い2人だと思う、これだけ酔わせてくれるんだから。前作で彼等に対しての耐性がついた分、衝撃はそれほどでもなかったというのを個人的に少なからず感じる部分もあった。けれども音と感情が生き物のように迫ってくる本作も世界を熱狂させる代物だと思う。


Rodrigo Y Gabriela - Rodrigo Y Gabriela

Rodrigo y Gabriela(2006)

 日本盤には『激情ギターラ』なんて恥ずかしいタイトルがつけられているものの中身は間違いなく本物なロドリーゴ・イ・ガブリエーラさんの2ndアルバム。最初にバンドの説明をしなければいけません、このバンドにどんな紆余曲折があったかを知って、応援したくなったから。

 Rodrigo y Gabrielaはまんまなんだけれどもロドリーゴさん(♂)とガブリエーラさん(♀)によるデュオ。メキシコ出身の彼等は元々スラッシュメタルバンドをやっていたそう。それが芽を出す様子もないので、アイルランドに渡欧したのが全ての始まり。それからストリートで演奏するようになりアコースティックギター2本による情熱的なサウンドが徐々に口コミで広がって人気を獲得していった。今では彼等の名声がこうして日本にまで届くようになっている。

 そんな彼等の音楽を初めて聴いたときに走った衝撃は今でも忘れられない。アコースティックギター2本だけで人々をこんなに感動させられるものなのか!?と非常に胸が熱くなった。ギター2本によるインストゥルメンタル、単純に表現すればこれだけである。しかしながらこの豊穣なサウンドはどこから生まれるのであろう?弦楽器であるはずのギターを打楽器として使い、強烈でラテン色の濃厚なビートを刻む。そして、ヘヴィメタルで培った技術を生かした超絶ギターによって美しくエキゾチックなメロディが奏でられる。フラメンコ、ラテン、フォークと様々な要素が火花を散らして強く結びつき、激情迸るロックへと昇華。原始的で奇天烈なことをやっていると思うのだが、その2本のギターが巻き起こす燃え滾るような情熱の嵐が人々を興奮の坩堝へ、そして今まで知ることのできなかった未知の大陸へと導く。人間の本能ともいうべきのこの溢れんばかりのエネルギーの凄さに圧倒される。そして喜怒哀楽、感情という感情が豊かに表現されていて素晴らしい。

 話題を呼ぶレッドツェッペリンの「Stairway to Heaven」、メタリカの「Orion」のカヴァーも独自のエキスを混入させることによって非常にかっこいい仕上がり。メタルの源がラテン色を交えることでより有機的な化学反応を起こしたとでもいうべきか。とにかく恐るべきものが生み出されている。これはヤバイ!生で聴いて、血が逆流するような前代未聞の衝撃を感じたい。

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