旅団 ‐‐Review‐‐

民族打楽器とドラム、ベース、ツインギター、エレクトリックバイオリン、ディジュリドゥ、シンセサイザーを擁する総勢9名(かつては13名)による大所帯インストバンド。


Lingua Franca

Lingua Franca(2011)

   民族打楽器とドラム、ベース、ツインギター、エレクトリックバイオリン、ディジュリドゥ、シンセサイザーを擁する総勢9名(かつては13名)による大所帯インストバンドの2年半ぶりの音源となる全4曲のミニアルバム。名前はずっと前から知ってるわりに作品を聴くのは、本作で初めて。しかしながら、楽曲の持つ壮大さとインパクトの大きさに度肝を抜かれた。大所帯ゆえの様々な楽器の共鳴と凄まじいグルーヴに確実にノせられる作品に仕上がっている。

 ジャンベにボンゴ等を使用しての迫力あるプリミティヴなリズムが大地を揺らし、ツインギターが自由に咆哮を上げてはエレクトリック・ヴァイオリンが大空に優雅に響き、シンセサイザーの華麗な装飾やエレクトロニクスを使っての細かな色づけが行われる彼等の音楽。これが実に大迫力で、尋常ではないテンションとタイトな演奏で表現し続けて、最高のクライマックスへと駆け上がり続けていく。まさに天井知らずといった感じで、幾百の風景を越えて、どこまでもどこまでも突き進む勇壮さ。力強い楽器陣の共鳴が肉体的なグルーヴ、トライバルな躍動感、強烈なダイナミズム、荘厳なドラマ性を生みだしており、壮絶な音の宴を大いに繰り広げている。当然、頭で考えるよりも先に自然と体が感じ取り、気づけば動かされているようなサウンドである。その変拍子も用いたスリリングな展開には舌を巻くし、バンドサウンドの複雑な重ね方の追及、それにダブにサイケ、ジャズにワールド・ミュージック等の要素を絶妙にブレンドして練り上げた曲の精度も高いと思う。本能的に訴え抱えるグルーヴは、旅団というバンドの特性である。前作よりも人数が減っているとのことだが、まるでマイナスになってないと思われるし(昔の作品は一枚も聴いてないからこのようにしか書けない)、9人の個性と限度を把握した中で最上のものが生み出されているはず。ゆえに過去と照らし合わせた上で自分達の土台が逆に固まっている…そんな印象も受ける。

 本作に限っては4曲のカラーが微妙に異なるが、バンド全体が渾然一体となって恍惚の桃源郷へ向かって大きなうねりを生み出していることは共通。また強い生命力を持った音符が力強く弾きだされている点もだ。特に10分近い#2「AOBAZUKU」におけるトライヴァルで強靭なリズムを軸に据えて、大きな翼を広げる様にツインギターが優雅に舞うサイケ・グルーヴ絵巻は体の芯から熱くさせられた。リズムのヴァリエーションを変えながらグルーヴを強めてはヴァイオリンが高鳴る#3も凄い。ライヴではさらに真価を発揮しそうなことは明白。早く生での体感を欲してしまうほど血が騒いでしまうミニアルバムだった。

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