ロシアはサンクトペテルブルクの重音系インストゥルメンタル・バンド。2014年にロシアの優良ポストメタル・レーベルであるSlow Burn Recordsからデビュー作を発表し、順調なスタートを切ることに成功。
Qual der Einsamkeit(2015)
ロシアはサンクトペテルブルクの重音系インストゥルメンタル・バンドの2曲入りEP。前年にロシアの優良ポストメタル・レーベルであるSlow Burn Records(Grown Below等が所属)から1stアルバムをリリースしている彼等は、ポストブラック・バンドのTrnaのメンバーもいるという。
本作でも基本的な方向性は変わっておらず、透き通るクリーントーンが軽やかな光を浴びた雪原を、また暗くドゥーミーなリフがシリアスな影を落としている。それはいずれの曲も10分を超える尺の中で、シベリアの鈍行列車で少しずつ景色の移ろいを眺める感じだろうか。メロディアスな側面を持っているためにAmenra程ではないにしても、暗く深く重くのゆったりとした連続。その上で台詞のサンプリングが効果的に使用されるようになり、哀感や寂寥感が濃さを増している。トライバルな感触のあるドラムやエフェクティヴな電子音によって、密教めいた雰囲気も持ち込まれているのも特徴だろう。実験性のあるダークなインストとしての効能を2曲約26分で示している。ちなみに#2は、フランツ・カフカの15篇の詩をコンセプトにしたコンピレーション・アルバムにも収録されているそうだ。
本作の国内盤リリースをお馴染みのTokyo Jupiter Recordsさんが手掛けているが、そちらにはボーナストラックとして、前作に入っている「Irretrievable」のライヴ音源を3曲目に収録。こちらは録音が結構生々しい感じで、バンドのパワフルさが発揮されたものになっている。Tokyo JupiterのCD盤はジャケットが違う点もこだわり。
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