Serpent ‐‐Review‐‐

日本屈指と評されたメロディックデスメタル・バンド。2005年に1stアルバム「Cradle of Insanity」、2008年に2ndアルバム「xGODx」をリリースし、数多くの賞賛を浴びたが、現在は活動休止状態となっている。

レビュー作品

> xGODx > Cradle of Insanity


god

xGODx(2008)

 前作「Cradle of Insanity」で多くのメタラーを悶絶させた神戸の国産メロデスバンドSerpentが約3年の時を経て放つ2ndアルバム。今作も1stで聴かせた北欧慟哭メロデスを基盤にしており、涙腺刺激前線による激情の雨で悶絶させまくるというスタイルはメロデス界において確かな存在感を示している。

 威力を増した痛烈無比なアグレッションと美意識をさらに高めたメロディによる激情っぷりは既に確立したオリジナリティーを一段高い位置へと後押ししたように感じられる。そして、楽曲自体が多少コンパクトな設計を施してあり、個人的には好印象。前作で懸念されていたであろう音質というのも大幅に改善されており、さらに音が主体的な強さを増し、このバンド本来のパフォーマンスが発揮できているのではないかと思う。#2を筆頭とした彼等の王道といえる楽曲を前半に配置し、中盤にはモダン化への接近を試みた楽曲を配置、終盤ではネオクラシカルに傾倒した上品な楽曲(特に#8,#9)で物語を終えていく、という前作にはなかったアルバムを通しての明確な流れというものも今作には存在する。それだからか美麗なメロディで押しまくりだった前作に比べて、アルバム全体を通してのアクセントが効いている。その辺りのバランスの良さもセンスがなせる業なのか、バンドとしてのクオリティの高さを改めて思い知らされる。

 確かに1stよりもメロディと劇的なドラマ性の多少の減退やヴォーカルスタイルの変化は賛否両論かもしれない。けれども彼等の音楽による感情表現の豊かさは変わっていない。「デビュー作の要素を残しつつ、新しいことにも挑戦した」とメンバーが語るとおりに、バンドとしての幅広さと力強さを武装できた作品といえるのではないだろうか。個人的には評判の前作よりも気に入っています。


クレイドル・オブ・インサニティ

Cradle of Insanity(2005)

 サウンドホリックと契約し、2005年にリリースされた1stアルバム。

 彼等のサウンドは、言うならば初期のIn FlamesやDark Tranquillityに代表されるような慟哭メロデスといえるスタイル。狂おしいほどの激情が雪崩れ込むアグレッションとメランコリックな旋律を同居させて、リスナーを慟哭の泉へと誘う。何よりもこのバンドの特徴と言えるのは、日本人ならではと思えるぐらいの琴線に触れる劇的なメロディとドラマ性。メインコンポーザーであるKeija(dr)がYOSHIKI(X JAPAN)の影響を受けているというのもあるだろうが、これほどまでに溢れんばかりの泣きメロが流れ出すのは同じ日本人としてツボを押さえているからこそだと思う。

 もちろんそれを可能にするバンド自身の演奏技術の高さや全編導入されたストリングスによる効果的な演出のうまさもSerpentの生み出すドラマチックさを際立たせている。ここまでメロディにこだわり抜いているバンドは海外を見渡してもそうはいないだろう。そこでまず、このバンドの凄さを知る上で特に#2,#4,#6を聴いてもらいたい。強烈なギターリフとアグレッション、繊細なピアノと泣きメロの嵐によって生み出される激情が心にも体にも焼きつき、刻まれるかのようで非常に印象深い楽曲に仕上がっているから。既に1stの時点で強烈なオリジナリティーを発揮し、人々を惹きつけてやまないSerpentにはこの先も期待せずにはいられない。

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