school food punishment ‐‐Review‐‐

内村知美を中心に結成された4人組ロックバンド。初期はポストロック/エレクトロニカ風味の音楽性であったが、徐々にそれにポップネスと疾走感を伴ったロックサウンドへと変化を遂げる。現在ではシンセや音響エディットで複雑な空間をデザインしつつ、キャッチーなサウンドで聴かせ・魅せるという新しいポップ・ロックを提示。しかしながら、2012年6月に惜しくも解散した。

レビュー作品

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Prog-Roid(初回生産限定盤)(DVD付)

Prog-Roid(2011)

  1年3ヵ月ぶりとなる2ndアルバム。作品としては順当なステップアップを感じさせる安心の内容だろう。セカンド・フェイズに移行したというバンドの声明通りに、出足の#1からおやっと思う方も多いはず。落ちついたピアノの調べと内村知美の強い意志の乗った歌声でしっとりと聴かせる。このようなシリアスな曲調の他にもジャズ/フュージョン系の影響を濃くした曲やプログレ風のフックを見せる曲もあり。

 前作もそのヴァラエティ豊かな曲調に意識が自然と引っ張られていったが、ここまで芸域の広さ・多彩さを有していたことに驚きだ。バンドの多様性を十分に物語る確かな演奏力とアレンジ。歌メロも鮮やかに浮かび上がっているし、しなやかで強靭なリズム隊、エレクトロニカ~テクノ風まで飛び交うキーボードの仕事っぷりも良し。メジャーらしい弾けっぷりから、”聴かせる”という部分に重きを置いたレベルアップが成されている。鮮やかな電子音の仕掛けに対してしなやかに歌い上げるヴォーカルが凛とした響く(中盤のバッキバキのベースもグッド)#7は印象に残る、高い演奏力を基盤にジャジーにコミカルに開けていく#11「Y/N」にはラストにこの曲持ってくるのか!!と昂揚。

 もちろん前作のように瑞々しさ、疾走感、キャッチーさを軸にしているのに変わりない。シングルとなった#2「RPG」におけるファンタジックな意匠と心地よい疾走、#3における華やかで躍動感に満ちた様、彼女たちの王道チューンの#9辺りには一気にもってかれる。これらの楽曲が作品を締まりのあるものにしているのは言うまでも無いだろう。

 鮮やかな空間意匠と揺らぎの作り方はさらに研ぎ澄まされており、静の部分の魅力を十分に落とし込んでさらなる領域へ。全11曲で44分とコンパクトにまとめつつも多彩な表情・曲調の変化が見られ、これまでの良さを存分に発揮した上での上積みが十分に感じ取れる良盤である。


amp-reflection

amp-reflection(2010)

  これまで数々のシングルやミニアルバムで着実にファンを獲得してきたscfの初のフルアルバム。以前の作品はまるで聴いていないのだが、様々な音の粒子をつぎはぎしたエフェクティヴな感覚とキャッチーなメジャー感が伴った好盤に仕上がっていると思う。本作はシングルを5曲含む全13曲入りと結構なボリュームだが、鮮やかな疾走感と風通しの良いポップネスが十分に機能していて、昂揚感に溢れている。

 切れ味のあるソリッドなリフ~メロディアスに飛散するギター、アブストラクトに空間を舞うシンセ/ピアノの破片、力強さと疾走感を加味するリズム隊、ちょっとだけキュートで艶やかで清清しい女性Voの歌声。どれもが不思議なバランス感覚で交わり、支えあいながら、リズミカルに音の波を創り上げている。ロックに留まらず、ポストロック/エレクトロニカ、テクノまでを横断して複雑で自由にデザインされている楽曲がほとんどだが、それを感じさせないストレートな質感とシンプルな構築性が優しい聴き心地を実現し、半ば確信犯的に鮮やかに心を奪い取る様はとても見事だ。それは実験的でありながらも、メジャー感のある曲へとしっかりと昇華されている証拠だろう。演奏力が立つだけでなく、クレヨンのように様々な音色を操るサウンドメイキングの手腕やアイデアも表情豊かな楽曲群を支えている。

 特に#3、#4辺りが洗練された野蛮ならぬ、”濃密でありながら華麗”を体現した曲でもってかれるし、加速するアンサンブルがクールな知性や虜にする熱気も備えている#6も力強い。静・動の情感美が冴えた#8や椎名林檎も好むという#12は牧歌的でありながらもエクレクトロとVoの表現力で魅せた秀曲。バンドが持つ独自のカラーと上昇曲線を描く勢いが如実に反映された作品だと思う。可能性を感じさせる音を彼女達は力強く表現している。

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