SIAM SHADE ‐‐Review‐‐

1993年に結成された5人組ロック・バンド。インディーズ時代から卓越したテクニックを軸としたハードロック・サウンドで頭角を現し、1994年に発表したミニアルバム「SIAM SHADE」がオリコン・インディーズチャート2位を記録する。その後、ソニーからメジャー・デビューを果たしたものの、2~3年は鳴かず飛ばずであったが、1997年11月に発表したシングル「1/3の純情な感情」がアニメ・タイアップも手伝って約80万枚の大ヒットを記録。その後もコンスタントにヒット曲を送りこみ、確固たる地位を築く。2000年7月には30万人が集まった韓国・釜山国際ロックフェスティバルに日本人として初めて参加して話題となる。しかしながら、2001年12月に念願であった日本武道館公演を達成した事を機に解散を発表。2002年3月にふたたび日本武道館のステージに立ち、解散となった。その後の2007年、2011年と期間限定で再結成公演を行っており、2013年後半には12年ぶりとなる全国ツアー7公演を予定している。

レビュー作品

> Still We Go > SIAM SHADE XII ~The Best Live Collection~ > SIAM SHADEⅨ ~A-side COLLECTION~ > SIAM SHADEⅧ ~B-side COLLECTION~ > SIAM SHADEⅦ > SIAM SHADEⅥ > SIAM SHADEⅤ > SIAM SHADEⅣ・Zero > SIAM SHADEⅢ > SIAM SHADEⅡ > SIAM SHADE


stillwego

Still We Go(2013)

  オリジナル曲としては、2001年11月に発表したシングル「LOVE」以来となる12年ぶりのニュー・シングル。iTunesを始めとした配信限定でのリリースが基本となっているが、12年ぶりとなるライヴ・ツアー『HEART OF ROCK 7』の各会場にてパッケージとしても限定販売されている。

  「希望も 未来も 前にしかない」という詩からもわかる通りに、後ろを振り返ることなく、明日を力強く生きていくことを歌ったメッセージ性の強いロック。本作から受ける印象はこれだろう。彼等らしい超絶テクニックを散りばめたわけではないし、ゴリゴリのメタリックなサウンドというわけではない。「Dreams」や「曇りのち 晴れ」のようなシングル曲に近いポップでメロディアスなナンバーである。さらにつけ加えるなら、ここ最近の栄喜ソロの流れも汲んでいるようにも感 じられるかな。今この時代だからこそ伝えたい、ポジティヴなメッセージと輝く未来へ希望を持って突き進むことをストレートな曲調と歌詞で表現している。

  栄喜の伸びやかな歌声は何も変わらないし、そこに絡んでくるKAZUMAとのツインヴォーカル、強さと優しさを兼ね備えた4人の演奏も然り。この5人が再びひとつになることで、SIAM SHADEはSIAM SHADEとして輝くのである。もちろん、根っこには体育会系であるがゆえのエモーションを迸らせて。途中に出てくる「今 俺達は 一つの SIAM SHADE」という昔では信じられない歌詞も、12年経過した今だからこそ6人目のメンバー(ファン)と一緒に力強く歌えるのであると思う。新曲、そして 全国ツアー『HEART OF ROCK 7』で再び走り出した彼等の今後に注目したい。


SIAM SHADE XII ~The Best Live Collection~

SIAM SHADE XII ~The Best Live Collection~(2010)

 メジャーデビュー15年を記念しての初のライヴ・ベストアルバム。2枚組で全26曲を収録。主に1999年の代々木第一体育館、2000年8月に男性限定で行われた「LIVE男樹」、2001年12月の初の日本武道館公演、2002年3月に行われた日本武道館公演からの収録で、これまで未発表のだったライヴ・テイクも入っている。

 とはいえ、その初収録となる音源が26曲中、たったの5曲。他はというとDVDで既に発売されたものからの抜粋なので、DVDを持っているファンからするとあまり購入意欲をそそられない作品である。ただ、彼等のライヴを体験したことない人にはもってこいの作品であるのは間違いないので、興味ある方はオリジナル・アルバム同様に是非とも手に取っていただきたい。

 選曲はほぼ妥当で、SIAM SHADEのライヴバンドたる力量や所以を感じ取れる内容であると思う(個人的に「Life」が入ってないのは残念だが)。解散ライヴの1曲目を飾る#1「GET A LIFE」から始まって、代表曲である「Don’t Tell Lies」までの全26曲、魂をめいっぱい込めた演奏と歌が体中を熱くしてくれる。当然、「1/3の純情な感情」や「Dreams」のように世間的な代表曲は入ってるわけだけど、「大きな木の下で」や「Sin」のような意外な初期曲が収録されていたりもするし、超絶インスト「Virtuoso」が収録されている点も嬉しい。聴いていてもスタジオ音源よりもさらに激しさと熱さが増す楽曲がどれだけ多いことか。なかでも、ライヴでも定番の流れ「PRAYER」「PRIDE」は(本当は「GET A LIFE」と続くんだけども)、スタジオ音源を遥かに凌駕するかっこよさ。曲順には??が浮かぶ部分もあるけれど、オーディエンスとの一体感がしっかりと伝わってくる点は○ですね。

 ただ、やっぱり未発表音源が5曲というのは少なすぎるので、次回もこういった企画があればファンが納得するようなものを制作していただけるようお願いします。


SIAM SHADE IX A-side Collection

SIAM SHADEⅨ  A-SIDE Collection (2002)

 2002年3月10日の日本武道館公演にて解散を迎える彼等のベストアルバム第2弾。こちらではメジャー・デビュー・シングルの#1「RAIN」から、メジャー6年半の活動で発表した全16曲のシングル曲を発売順通りに収録。また、N.Y.の巨匠ロック・エンジニア、ジョージ・マリノによる全曲リマスタリングされている。

 #4「RISK」を除いて、#1「RAIN」~#13「せつなさよりも遠くへ」まではオリジナル・アルバムに収録された曲になる。2000年の『SIAM SHADE Ⅵ』がオリジナル・アルバムとしては最後なので本作では、2001年以降に発表したシングル#14「Life」~#16「LOVE」を収録しているのが役割として大きい。結成当初からのメロディアスなハードロックを基盤に洗練と成長を重ね、収録された16枚のシングルだけでも曲調はバラエティに富んでいることがわかるだろう。メジャー感のあるポップな曲もあれば、売れるのを度外視したゴリゴリのロックもあるし、卓越したテクニックを集約したような曲もある。「1/3の純情な感情」が売れすぎたが故の弊害(主に”一発屋”というレッテル)は大きかったが、ただそれだけではない高い技術と強さと情熱を持ったバンドなのだ。

 そんなSIAM SHADEを語る上で絶対に欠かせない楽曲が#14「Life」になるだろう。「生命」をテーマにしたこの曲は、静かなイントロから徐々に感情が高まっていく壮大な展開を持つ。ミディアムテンポのなかで、魂のこもった演奏と歌が胸を強く震わせ、特にサビの栄喜の叫びやDAITAのギター・ソロ、情熱的なアウトロには何度涙腺が緩んだことか。僕は高1の時にこの曲を聴いたけど、生涯を通してどれだけ聴いてきたかわからないぐらいにおそらく一番聴いている楽曲だと思う。だからこそ、SIAM SHADEのことをよく知らない人にはまずこの「Life」を聴いていただきたいところ。

 男気に溢れたアグレッシヴな#15「アドレナリン」、ファンへの感謝を込めたバラードであるラストシングル#16「LOVE」もまた佳曲。SIAM SHADEが歩んだロックの道をしっかりと辿れる、シングル集である。


SIAM SHADE~B-side COLLECTION~

SIAM SAHDEⅧ B-SIDE COLLECTION(2002)

 シングルのカップリング曲を集めたタイトル通りのB面集。それに加えて、アルバム未収録のシングル「RISK」が15曲目になぜか収録されている。彼等はカップリング曲からもライヴで演奏する定番曲が多く、#1「PRAYER」や#6「D.Z.I.」、後期では#13「JUMPING JUNKIE」等は必ずライヴで披露されていて、人気も高かった。

 さすがにカップリング集ということもあって、シングルではちょっと・・・・となるような重厚でハードな楽曲が大半を占めているのが特徴的である。#1「PRAYER」なんてデビューしたばかりなのに、既にこんなにも力量があるのかと驚かされる秀曲であるし、「Don’t Tell Lies」と並んで強力メタル・ナンバー#6「D.Z.I.」は、2002年3月の解散ライヴで最後に演奏したぐらいに重要な楽曲だ。それにテレビ朝日系『ワールドプロレスリング』のテーマソングに使われた#13「GET OUT」も、これぞSIAM SHADEという漢気に満ちたヘヴィ・ロックである。カップリングにしても手抜きなど一切無し。バンドマン達が喜びそうな痺れる曲は多い。

 それに加えて#4「D.D.D.」や#5「ブランコ」のような切なげハードロック、「LOVESICK」ばりの爽快な疾走感が気持ちいい#8「Happy?」、KAZUMAがメイン・ヴォーカルを取る「OVER THE RAINBOW」も収録されている。寄せ集めであるがゆえにそれぞれの時期の趣向は感じ取れるにせよ、多彩な曲調でオリジナルアルバムと変わらぬ感じで聴けるのが嬉しい。繰り返しになるが、ライヴでの定番曲が数多く収録されているので、続くシングル・ベストとともにしっかりと聴いて欲しい作品である。


SIAM SHADE VII

SIAM SHADEⅦ(2000)

 海外市場を意識したらしい、既存の楽曲を全曲英詩に変更した5曲入りミニアルバム。リマスタリングは、N.Y.の巨匠ロック・エンジニア、ジョージ・マリノが手がけている。こういう企画モノって、オリジナルと比べるので賛否両論が巻き起こるわけなんだけど、個人的にはアリ。#1「LOVESICK -You Don’t Know-」は爽快感とパンキッシュな勢いが増しているし、#2「Bloody Train」や#3「PASSION」はさらに攻撃的になっている印象を受ける。なかでも本作の肝となっているのが、#4「Don’t Tell Lies」と#5「GET A LIFE」の2曲。両曲ともに英詩で作られていてゴリゴリでハードロッキンな楽曲であるけど、歌い回しやアレンジが変わっていて、とてもかっこいい。特に#4は段違いの破壊力。リマスタリングの効果もあると思うけど、既存の楽曲をここまで引き上げることができるとはね。外人ウケも間違いない音の暴風。もうちょっと曲数を増やしていただくとなお良かったが、是非ともチェックして欲しい作品である。


SIAMSHADE VI

SIAM SHADEⅥ(2000)

 結果的には、最後のオリジナル・アルバムとなってしまった1年8ヶ月ぶりの6枚目の作品。これまでと違う試みとして、ヘヴィかつハードなDISC1、ポップ・サイドの曲を集めたDISC2という2枚組仕様となっている(共に8曲入りの全16曲を収録)。

 全てのHR/HMファンに捧ぐ。そんなキャッチコピーもつけたくなるDISC1は、そんじょそこらのバンドが束になってもかなわない破壊力が備わっている。この時期に流行していたモダンヘヴィネスを柔軟に取り入れながらも、技巧派集団とも評される卓越したテクニックと彼等なりのセンスで見事に昇華したメタル・チューンのオンパレード。変拍子混じりのマニアックな展開、前作から一段も二段もヘヴィになったサウンドに打ちのめされる。新たなバンドの代表曲としてバンド後期を支えた#1「GET A LIFE」を聴けば、それは理解できるだろう。その後も#3「Outsider」、#5「Allergy」、#6「BLACK」と彼等らしいスパイスを交えた攻撃的な楽曲が並ぶ。その中で、メロコア風の#2「Fine Weather Day」がいい味を出しており、羽ばたいていくような飛翔感あるインスト#8「Triptych」まで全く隙はない。

 対する2枚目は、ポップ・サイドと謳っているだけあってキャッチーな楽曲が並んでいる。しかしながら、ただただ単にポップじゃないのがSIAM SHADEらしい。その象徴といえるのが、シングルにもなった#3「せつなさよりも遠くへ」になる。DAITAがド頭からタッピングの嵐でギター弾きの度肝を抜いているにも関わらず、全体を通すと非常にポップかつメロディアスに昇華しているから驚きだ。個性がポップに埋没してしまうようなバンドでは決してない。流石である。SIAM SHADEⅡ期の叙情的なハードロック調を深化させたような#2「MOON」は胸に訴えかけるものがあるし、掛け合いのツインヴォーカルが決まる#5「1999」のような曲も揃っており、曲調はDISC1に比べると豊かなのも良い。締めくくりは、深キョンのドラマの主題歌になった#8「曇りのち晴れ」。強いメッセージ性に満ちたサビが胸にじんとくる泣ける1曲です。

 冒頭にも述べたように、本作がオリジナル作としてはラスト。凄いものを作り上げたと実感する作品なのは間違いないところ。散漫であったり、方向性が見えなくなったと言う意見もあるが、高度な演奏技術とセンスの融合を果たした本作が、個人的には最高傑作かなと思う。だからこそ、これ以降のシングル「Life」や「アドレナリン」等を収録したアルバムは、一体どのようになっていたのかと今でも考えたりしてしまう。強い可能性を持っていたバンドだけにね。


V

SIAM SHADEⅤ(1998)

 「1/3の純情な感情」以降の3枚のシングル、「グレイシャルLOVE」「Dreams」「NEVER END」でも順調にヒットを飛ばし、その勢いのままに約11ヶ月という短いスパンでリリースした5thアルバム。マスタリングはTed Jensenが担当している。

 #1「BLOW OUT」、#2「Monkey Science」と冒頭からハード&ポップに疾走する本作。前作と比べると幾分かハードロックに回帰している印象はある。けれど、よりマニアックな嗜好が発揮されているのは彼等だからこそ。卓越した技術を駆使して、ポイントは抑えているし、バンドマンが喜ぶようなテクも随所に入れている。HR/HM色を必要以上に削ぎ落すことなく、ここまでポップと巧みに折り合いをつけるのはもはや職人技と言っていいのかもしれない。バリバリの変拍子で押してくる#4「NEVER END」をシングルで出せるのは、SIAM SHADEぐらいだろうし。また、高い技術力の結晶であるインスト#6「Solomon’s Seal」や三柴理がピアノで参加した美しいバラード・ナンバー「Tears I Cried」等も収録しており、楽曲の多彩さは前作と比べても遜色ない。本作もわりと色んな層にアピールできる作品だといえる。

 突き抜けるような爽快感とポジティヴなメッセージに背中を後押しされる#11「Dreams」から、故・hideに捧げた#12「Grayish Wing」での締めくくりも見事。緊張感が走るピアノのスタートから、哀愁疾走ロックで切に想いをこめて歌いあげる。飛翔感のある終盤には胸を熱くさせられてしまう。ファンならずとも耳にして欲しい1曲である。


SIAM SHADE IV・Zero

SIAM SHADE(1998)

 アニメ「るろうに剣心」のエンディングに起用されたことで約80万枚の大ヒットを記録したシングル「1/3の純情な感情」を収録した4枚目のアルバム(フルアルバムとしては、3枚目)。

 ハードロッキンな攻撃性が光った前作から、メジャー・バンドとして一気に駆け上がったことが影響してか、ポップな要素を上手く昇華した作品に仕上がっている。驚くほどキャッチーな曲もあれば、「1/3の純情な感情」で気になったファンを一蹴するようなメタル曲もあるし、マニアックなプログレ曲、哀愁たっぷりのバラード、ひたすらテクニカルなインストとこれまでの作品と比べても多彩な内容。そこは明石昌夫プロデュースの効果もあるか。楽曲は、いい意味でメジャー仕様化させてはいるものの、変拍子やギターソロ等でらしい味付けで、自らの音楽性をしっかりとリスナーに提示している。涙なしでは語れない名曲#1「Dear…」を筆頭に、バンド最大のヒット曲#3「1/3の純情な感情」、間奏がめちゃくちゃカッコイイ#4「Bloody Train」、口あんぐりのドリムシ張りの超絶インスト#7「Virtuoso」等を収録。また、歌詞とゴリゴリのサウンドでグイグイと攻める#10「PASSION」から、栄喜の魂の熱唱が印象的な#11「Shout Out」というラストの流れにもグッとくるものがある。

 全体を通しても非常にバランスが良く、「1/3の純情な感情」で獲得したファンをしっかりと繋ぐ作品に仕上がっている。オリジナル・アルバムの中で一番入りやすいと個人的にも思う。ちなみにオリコン初登場3位を記録しており、アルバムとしては売上が一番良かった。また、#1「Dear…」が2007年の再結成公演に合わせて発売になった『SIAM SHADE XI COMPLETE BEST ~HEART OF ROCK~』のファン投票で1位を記録している(最大のヒット曲「1/3の純情な感情」は7位です)。


III

SIAM SHADEⅢ(1996)

 「このサウンドは、もはや犯罪だ。」というキャッチコピーがついた約1年ぶりとなる3枚目のアルバム。L.A.レコーディングもあってか、前作とは比じゃないぐらいに分厚く骨太なサウンドに進化している。哀愁を帯びたハードロックが持ち味だったところからすると、ずいぶんとアグレッシヴな仕様となっているが、ファンからしたらこういった音を求めていた人は多そう。卓越したテクニックを活かした難解な構成でリスナーを手玉に取り、攻撃的なサウンドが鼓膜に心に突き刺さってくる。

 しかしながら、メロディラインは実にSIAM SHADEらしい。キャッチーなメロディと絶妙なツインヴォーカルで軽快に疾走する#2「LOVESICK -You Don’t Know-」なんて彼等にしか生み出せないだろう名曲。その#2を含めて、ドロップDチューニングでヘヴィに迫る「PRIDE」、もともとは高校時代につくった曲の様だが、ここまでヘヴィ&ラウドに進化した漢気全開の#9「Don’t Tell Lies」は、SIAM SHADEのライヴになくてはならない重要曲である。また、後にシングルカットされた#1「Why not?」ではエロ歌詞とハードなサウンドで攻めるし、イントロにシンセを使って今までにないテイストを出した#5「Sin」も収録。

 アグレッシヴな音作りに特化した分、ファンからの評価も高い本作。外タレにひけをとらない芯の強さをみせた一枚だと思う。


SIAM SHADE II

SIAM SHADEⅡ(1995)

 SONYからデビューを果たしたメジャー1stフルアルバム(表記はⅡですがアルバム2枚目という意味)。

 インディーズの頃からのメロディアス・ハードという路線は大きく変えず、デビューシングル「Rain」でも聴けるように、切ないメロディと疾走感のあるサウンドが特徴になる。哀愁を帯びたツインギターの仕事ぶりだけでもお腹いっぱいになりそうだが、複雑な展開をものともしない安定したリズム隊、伸びやかでエモーショナルな栄喜の歌唱(先輩のRYUICHIをちょいと意識してる感じだけど)と、前作からかなりビルドアップされた。

 この時点では、ブレイク前だけに有名な曲こそ無い。けれども、#3「CALLING」なんて初期のSIAM SHADEの音楽性を表現している名曲だと思うし、ソフトで歯切れのよいメロディが印象的な#2「TIME’S」、LUNA SEAっぽいクリアなメロディが光る#5「夢の中へ」、メロディアスなバラード#7「大きな木の下で」、イントロのリフから痺れるメジャー・デビューシングル#11「RAIN」等々、楽曲はやはり粒ぞろい。この頃の切なげハードロックっぽい彼等の音楽性を推すファンも多く、重要なアルバムである。


siamshade1993

SIAM SHADE(1994)

 オリコン・インディーズチャート2位を記録した6曲入りのミニアルバム。ジャケットのインパクトから通称“黒猫アルバム”。この頃は、Vo.栄喜が”CHACK”と名乗っていたり(SIAM SHADEⅡの頃までかな)、ヴィジュアル系っぽいメイクしていたりという若気の至りが・・・(苦笑)。

 ただ、彼等らしいエッジの立ったサウンドは早くも確立していて、哀愁を帯びたハードロックを基調にテクニカルな展開で聴き手を唸らせてくれる。#1「NO CONTROL」や#2「Imagination」はバンド後期でもライヴでは披露されるぐらいに馴染みのある曲だし、初期衝動に満ちた#6「LOSE MY REASON」も非常にかっこいい。この頃は、もろにハードロックという印象は強いけど、陰りと切なさを併せ持ったメロディがいい味を出している。#5「時の川の中で」では栄喜とKAZUMAの絶妙なツインヴォーカル・スタイルが板についていて、前述したようにバンドの基盤というものは、本作でできあがっているといえるだろう。まあ、高校生の時に代表曲「Don’t Tell Lies」をつくったと言ってるぐらいだから、当時から彼等のレベルの高さに驚く他ない。インディーズとは思えないクオリティを持つ初期の名作である。

 ちなみに本作は、2012年4月にスタジオ未収録の初期音源3曲を追加&リマスターで再発されている。なかでも、2011年10月のさいたまスーパーアリーナでの再結成公演のオープニングSEに使われた、「LIGHT FOR CLOSED YOUR EYES」の収録が嬉しい。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でGrumble Monsterをフォローしよう!

スポンサーリンク


▼ フォローする