シド(SID) ‐‐Review‐‐

2003年に結成された日本のヴィジュアル系ロック・バンド。インディーズ時代から快進撃を続け、日本武道館公演も経験。2008年にメジャー進出してからも人気はさらに拡大し、2010年末には東京ドーム公演を実現させた。近年で最も成功しているバンドのひとつに数えられるだろう。


OUTSIDER

OUTSIDER(2014)

 前作『M&W』から約1年半ぶりとなる通算8枚目。昨年にはデビュー10周年を迎え、心身ともに充実している状態で放つ本作は、アニメ『マギ』のオープニング・テーマ曲として使用された「V.I.P」や「ANNIVERSARY」等のシングル5曲に、新しく6曲を加えた全11曲を収録している。

 ムック同様に彼等もまた”変幻自在”という言葉がよく当てはまるバンドだろう。万人を振り向かせることのできるポピュラリティを持つJ-ROCKを主軸にしているものの、哀愁歌謡曲やエレクトロ、パンク、ハードロック、ジャズやボサノヴァといった諸要素を巧みなアレンジで溶けこませながら、数多の人々の支持を受けている。本作でもアニメ・タイアップでヒットを飛ばしたシングル曲が中心といえば中心だろう。だが、エレクトロニクスを導入部にヘヴィなサウンドが交錯する#1「laser」、捻りを効かせたギターを軸に鮮やかに展開していくロック・チューン#2「CANDY」と見事な立ち上がりには感心するし、彼等の真骨頂といえる哀愁歌謡#4「赤い手」も効果的なアクセントとなっている。

 #3「V.I.P.」や#11「ANNIVERSARY」といった爽快ポップロック、様々なフックを盛り込みながら4つ打ちで昂揚感を誘う#5「MUSIC」、チャラEDMを少し意識した感もある#9「darling」とアルバム通してもやはり隙のない構成。11曲約44分と喉越しあっさりし過ぎているきらいはあれど、ポップであることへの矜持を示すアルバムとして、本作も彼等らしい魅力を持っている。

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