Sleep ‐‐Review‐‐

ドゥーム・ストーナーの神と崇められる伝説的バンド。世に残した3枚の作品はいずれも世界を震撼させ、現在もドゥーム/ストーナーの教典として一部の愛好家に親しまれている。特に伝説となっているのが1曲52分のストーナー巨編「Jerusalem(エルサレム)」で、彼等の最高傑作としてシーンとして神盤と扱われ、今も語り継がれている。2003年には完全バージョン「Dopesmoker」を発表しており、こちらも大変な話題を読んだ。しかしながらバンドは既に解散しており、中心人物マット・パイクはHigh on Fireを結成し、アル・シスネロスはOmを結成し活躍中。現在ではSleepとしての再結成公演を何度か行っている。

レビュー作品

> Dopesmoker / Jerusalem > Sleep’s Holy Mountain


Dopesmoker

Dopesmoker / Jerusalem(2003)

   人々を恍惚へと陥れた1曲51分のストーナー地獄絵巻「Jerusalem」。だがそれから4年が経ち、再びその衝撃を我々は受け止めることになる。「Jerusalem」の完全バージョンで10分以上が追加収録された1曲約63分の「Dopesmoker」の発表。

 この作品を聴いた人間のほとんどが、神の降臨した伝説的作品と崇めており、その民は年々増え続けている。一つのリフを執拗に繰り返すことによって酩酊感を高め、ひたすら蠢く混沌とした世界が表現されている。時間が経つにつれ分厚くなる超人的グルーヴ感に脳がトロトロ。神経がイカれ、崇高な儀式でも見ているかのような錯覚に陥る。”マリファナ騎士団が聖地エルサレムを目指す”というコンセプトの基に作られた本作だが、人間の精神の深奥へと歩みを進めるているようだと自分は感じた。聴けば聴くほど、精神が蝕まれていくし、どんどんとSleepの音楽に自分自身が支配されていく。けれどもこの快感は何なのであろう、未だかつて無い感覚を覚えてしまう。63分という未知の体験をしたためか、はたまた彼等の音楽に不思議な作用があったのか。どちらとも言えないが、このCDに収められている音が凄い力を持っているということは確かだ。”最果て”そして”孤高”とはまさしくこの音楽のことを言うのではないだろうか。いや、もはやこれは音楽ではない。人間の精神を幾何学的な世界に解き放つ神秘だと言えるだろう。

 天国と地獄の両方を味わうことのできる本作はまさにストーナーの金字塔。ロックをある種、極限まで歪めたものとも言えるんではないか。それに音楽というものが持つ可能性は無限大ということを教えてくれる作品だと思う。まあ小難しく語ってきたが、端的に言えば”マリファナでイカれた連中が作った最高のロック、最高の音楽”だということです。

 しかし、既にこの作品が発表された頃にはSleepは解散。そもそも1曲52分というとんでもないことをしでかした「Jerusalem」を発表しようとしたときに契約していたレコード会社から「こんなものは売れない」といわれ、喧嘩になってしまい契約解除になったとか。さすがに神盤とも評される作品にはそれ相応の逸話がある。


Holy Mountain

Sleep’s Holy Mountain(1993)

   もくもくと立ち込める香ばしい煙を武器に極楽浄土へと歩みを進めるマリファナ・ストーナー・ロック集団Sleepの2ndアルバム。本作よりギタリストが一人抜けて、後に語り継がれているマット・パイク、アル・シスネロス、クリス・ハキアスの最強トリオ編成になっている。

 個人的に神盤と崇められている「Jerusalem(Dopesmoker)」の方から聴いている分、本作はまだ音楽的、そしてロックっぽさが残っている。ドゥーム風の暗鬱なるリフやストーナー特有の倦怠感に狂わされ、鼓膜を巻き込んで旋廻するグルーヴに酔いしれるこの感覚。その切迫したムードを含めてSleep節は炸裂しまくっているんだけど、ロック的と思えるのは途中でテンポチェンジしサイケデリックなギターを炸裂させる#2や色の無い世界で叫びまくる#7の存在。あの世に引きずり込まれるような楽曲がほとんどを占めているが、こういった特異な色彩を放つ楽曲があるのがおもしろく感じられ、個人的には軽い心地良さまで覚えてしまった。しかしながら本作も次作ほどでは無いが、イッチャってる度は異常値を示しており、生きてることすら忘れさせられる衝撃の作品だ。目の前には、真っ赤な太陽も緑が生い茂る草原も見えやしない混濁した空が広がっている。

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