Sleeping People ‐‐Review‐‐

2002年にサンディエゴで結成されたポストロック/マスロックバンド。2005年に発表したデビューアルバム「Sleeping People」が世界で絶賛され、一躍世界に名を広める。2007年に待望の2ndフル「Growing」を発表。待望の来日公演も2007年12月に実現した

レビュー作品

> Growing > Sleeping People


Growing

Growing(2007)

 幾重の眩い光を放つオープニングトラックから優雅に音符が上空に咲き乱れるマスロックの展開が成されていく。硬質でありながらも温かさを宿した2本のギターがエッジを効かせてダイナミックに交錯していく。間隙を縫うように鋭角的なギターが進んでいくこともあれば、縦横無尽に音を掻き鳴らしたりと、様々なトリックを仕掛けている。そこにさらに彩をつけ楽曲に厚みをもたらすベース、変拍子の多い楽曲に対してしっかりと支えるドラムとリズム隊の確かさに安心を覚える。彼らは本当にマスロックバンドならではの力強さがみなぎっている。個人的に気に入っているのはサイケなギターフレーズのリフレインと突然変異する奇抜さが魅力の#2、アグレッシヴなギター・ベース・ドラムが脳内に打ち付けられ続ける#6、強いグルーヴ感に今にも踊りだしてしまいそうな感覚がもたらされる#7など。特に#3は一瞬の油断も許さないマスロックの設計で、前半部のタメから一気に解放され、昂揚感の爆発を呼ぶ3分過ぎからの後半部の凄まじさに歓喜する。

 バラエティ要素ふんだんの各メンバーのソロトラック(#1,#5,#8,#9)にはただのマスロックで終わるつもりはないという気概をこちら側に提示している。さらにラスト#10ではいつも通りの数式だと思い込んでいたら、全く違った解法を我々に示したであろうヴォーカルパートの追加という創造的な解答。これがまた今までに無い味を出しており、ユーモアとしてまたサプライズとしてもうまくアルバムに浸透している。マスロックの先駆者たちもびっくりの作品です。


Sleeping People

Sleeping People(2005)

   多分知らない人が聴くとマスロックというジャンルはこれほどまでに凄まじいのか!と脳内に体内に強く刻み込まれるのがSleeping Peopleのこのデビューフルだ。精微に計算されつくした構成と脳天直下型の激烈性の両者を携えるそのサウンドはプログレとハードコアを掛け合わせたものと表現してもいいだろう。歌というものを一切挟まず、4人のストイックかつ苛烈を極める演奏のみでそれを実現している。

 変拍子やポリリズムなど変則的なアンサンブルを基軸にして超鋭角的かつ超攻撃的に迫り来るサウンドは非常に刺激的だ。全く守勢に回ることなく流れるような波状攻撃を繰り返すツインギター、グルーヴィに躍動しつつ時折鋭さが光るベース、正確無比なリズムを身上に手数を打ちまくるドラムの全てが実にハイクオリティかつハイレベル。それらが渾然一体となって空間を音符で埋め尽くし、弛まぬ衝動を与え続ける7曲35分の狂乱には鳥肌立ちっぱなし。その衝撃力といったら、そこらのメタルバンドが泣いて尻込みするほどのものである。嵐の中にでも放り出されたかのような、または研ぎ澄まされた刃に勢いよく切りつけられていく感じだろうか。そんな形容が浮かぶほどとてつもなく激しく鋭い。

 インストゥルメンタルにはよくある静と動を行き交う優雅な調べではないのでポストロック的な期待は禁物だが、とにかく攻めて・攻めて・攻め倒しては・薙ぎ倒す姿勢は凄まじいの一言。ミクロ単位で音を繋ぎあわせることもあれば、フリーキーにぶつけ合うこともあるのだが、常にスリリングで脈拍が上がるような展開が繰り広げられるので否応なしに興奮してしまう。何度も方向・ギアを切替ながら鋭くドライヴインしてくる#1、#2、#4にはクラクラと眩暈がするほど。演ってる人たちの体温すらも感じ取れないような機械然とした無機質さだが、逆にその辺りもCOOLでかっこよいように感じる。とにかくオススメ! 迷わず聴け! この中毒を起こす激しいインストゥルメンタルを!

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