sleepy.ab ‐‐Review‐‐

北海道・札幌市を中心に活躍する1998年結成の4人組バンド。その浮遊感あるメロディとノスタルジックな音世界がとても魅力的で、優しい歌声もまた心の琴線をくすぐってくる。2008年には5thアルバム「archive」を発表しており、現在では活動の幅を広げ全国的な知名度も獲得している。

レビュー作品

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archive

archive(2008)

 新曲2曲(#1、#10)、過去に発表した曲の新録4曲(#2~#5)、既存4曲(#6~#9)、アコースティック・ライブバージョン2曲(#11、#12)の計12曲を収録したsleepy.abの第一期(02~07)の足跡を辿るベストアルバム。独特の浮遊感と幽玄なるサウンドスケープに酔いしれ、淡く儚げなメロディに心が洗われる。時の流れを忘れさせるぐらいゆったりと時が過ぎていき、澄んだ空間の中を優雅に音が漂う。耽美でイノセントな世界に自然と惹かれてしまったし、滑らかな曲の展開による耳への優しい刺激もまた心地よい。このバンドならではの温かさが個人的にはツボで、心の隙間を埋めていってくれるところに好感を持っている。色々なバンドの影響を感じさせるんだけど、独特の空気を持っているんだよなsleepy.abは。このベストアルバムもそんなセンチメンタルな気持ちに浸ることのできる切ない曲でほぼ全曲構成しており、甘い一時に頬が赤みを帯びてくる。2曲の新曲にしても無垢な情景が目の前に浮かんでくるような切ない曲に仕上がっていて、#11や#12のアコースティック・ライブにしても何でこんなに胸を強く締め付けるんだろうと感動する。ちょっと切なくなった時には迷わず本作を聴いて感傷に浸りたい。10年分の想いが詰まった秀作である。


palette

palette(2006)

 北海道出身の4人組sleepy.abの3rdアルバム。ヴォーカルにしても楽器陣にしても電子音にしても北国の雪の結晶のように透き通るような透明感に琴線をくすぐられ、浮遊するようなメロディと美しいハーモニーが哀切の想いを駆り立てる。音が空間にたゆたいながら煌きを放ち、繊細に広がっていくその様はポストロックそのもの。エレクトロニカやシューゲイザーの要素も感じさせ、程よいポップさによる温かみもまた心地よい。その中でもバンドサウンドと溶け合うような優しい歌声は大きな武器であり、この声に心を奪われる人もまた多いだろう。そして、北の大地出身らしいノスタルジックな世界観は、聴いているとどことなくSigur Rosの音像が浮かんでくることもしばしば。雲の中にでもいるような、または幻想の中に取り残されたようなそんな不思議な音世界に魅了される。切なさがMAXに達する#1や#2、ラストトラック#8の叙情的なインストゥルメンタルには思わず涙が出そうになった。だけども重いグルーヴ感と悪戯な暗さがなんだかおもしろい#3も個人的には気に入ってる。しかしながら、全8曲どれもが特有ともいえる柔和なサウンドスケープを創り上げているので、本作はsleepy.abというバンドの独自性を明確に示している作品と言えるだろう。

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