Suis La Lune ‐‐Review‐‐

quietpull

Quiet Pull the Strings!(2006)

 スウェーデンの激情ハードコア・バンドの1stアルバム。コアな激情HCファンには御用達のスイスののApe must not kill apeからリリースというお墨付きもあってか、非常に人気の高い一枚である(当然、マニアの中で)。音源を再生して、いきなり小鳥のさえずりが聴こえてきた時は、購入した物を間違えたかと本気で思った(苦笑)。

 っが、ギアを入れ替えてからはRaeinやLa Quiete等の欧州の激情ハードコアをベースに、溢れんばかりの迸るエモーションを乗せた激しいサウンドをぶつけてくる。その様に、思わず体中が熱くなってしまった。咽び泣くように叫ぶヴォーカルやソリッドなギター、タイトなリズム隊からはバンドの初期衝動を強く感じ、蒼さを見せる場面もあれど、先人達にも負けない気迫がビシビシと伝わってくる。とはいえ、アルペジオやクリーン・ギターを多用することで、美と激のバランスを丁寧に保っている点は巧み。決して勢いや激しさ任せでは表現できない、温かさや優しさを感じさせる辺りはとても新鮮で、バンドの懐の深さをこの頃から既に見せつけている。

 本作では1~2分台とコンパクトな楽曲は多いが、時に清らかに澄んだ海の様であり、時に荒れ狂う暴風雨のように振り切れる彼等の音楽は、非常にドラマティックに昇華されている印象は強い。特にenvyばりの豊かな感情表現、静と動の落差で圧倒する7分半のラスト曲#10「My mind is a birdcage」が白眉。そんな欧州激情系の括りの中でも、強く支持されている名盤のひとつである。彼等はその後、Topshelfと契約し、2ndアルバム『Riala』を2012年にリリースした。

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