Tape ‐‐Review‐‐

スウェーデンはストックホルム在住の ヨハン・バットリング、トーマス・ハロンステン、アンドレアス・バットリングによる音響トリオ。現在までに5枚の作品をリリースし、ここ日本でもコアな人気を獲得している。


Revelationes

Revelationes(2011)

 スウェーデンの音響トリオによる5作目。過去に1枚だけ聴いた事あるけれども(タイトル失念)、その作品の事は小難しさが勝っていたためかあまり覚えてない。しかし、本作で聴ける柔らかで上質、それでいて実験性精神も投影されたサウンドは心地よくて聴き応えも十分である。センチメンタルな感傷も滲ませた叙情的な音色は日本的なわび・さびを湛えている感じで、そこに細かく配色されていくまろやかな電子音とが生むハーモニーがもう絶品なのだ。音楽性としてはこれまでから大きな変化は無いようで、ポストロック/フリー・ジャズ的な素養にエレクトロニカが溶け込むスタイルと表現できると思うけど、そのバランス感覚が研ぎ澄まされている。緊張感あるピアノ火花が散らすように音色がぶつかり合うわけではなく、音の粒がゆっくりと重なり合っていく感じ。このオーガニックな感触はここからきている。そして、その精微な筆使いが穏やかな風景を描き出していく。

 ジャジーなドラムの先導から溢れだす牧歌的でノスタルジックなアコギの旋律が静かに心を動かしていく#1「Dust And Light 」に始まり、尖鋭的なアプローチもあれど細やかな電子音が滑らかな変化を加えながら優しい空気で包む#2「Companions」、厳かな鍵盤と散りばめられたエレクトロニクスの破片が静かな緊張感を運ぶ#4「Byhalia」、ラウンジな安らぎとセンチメンタルな感傷が印象的なラストトラック#7「Gone Gone」まで優しい時間の流れに身を任せることができるはず。牧歌的で素朴な佇まい、そして尖鋭的な音響の組み合わせの妙がここまで清涼感と安らぎを与えてくれることに今回は本当に驚いた。また全7曲約32分という潔いコンパクトさも絶妙。柔らかな日差しが差し込む午後のひと時に是非ともどうぞ。

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