UKのインストゥルメンタル・スラッジ/ポストメタルの急先鋒。Russian Circles系列に連なるプログレッシヴな展開を持つ重厚なインストを聴かせ、シーンに一石を投じる。
12 Areas(2014)
UKのインストゥルメンタル・スラッジ/ポストメタルの急先鋒の1stアルバム。マスタリングをJames Plotkin、アートワークをAlex CF(Light Bearer)という超人たちで固めている。
そんな彼等のサウンドは、静寂から轟音へと歩む王道のポストロック/ポストメタル・スタイルというわけではない。もちろんスラッジ/ポストメタルの要素は基盤になっているが、プログレッシヴ/マス・メタルを衝突させたような感じで、Russian Circlesや近年のThe Oceanの音楽に感化されている印象がある。興奮を煽るスリリングな展開の連続、それに加えて重量感バッチリの音塊を見舞う辺りはなかなかに新鮮で、不穏な空気を垂れ流すSEチックな#1「Hypnos」をくぐり抜けると、二本のギターが精微に絡んで空間を切り裂き、ツーバスをドコドコ言わせる#2「Saccade」が変則展開でしっかりと持っていく。リード曲となった#3「Cystine Knot」はヘヴィな曲調の中でクリーントーンが凛とした美しさをもたらしているように感じるし、The Ocean的なプログレ・メタル的な要素が押しだされた#4「Sleepwalker」も切れ味十分。
締めくくりの#7「To Kiss The Ocean’s Floor」にしても複雑な展開を基にして優美重厚なポストメタルを造形しており、1stアルバムにしてこの手のファンを唸らせる完成度は誇っているように思う。
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