The Music ‐‐Review‐‐

英国リーズ出身の4人組。2002年のデビュー作「The Music」からヒットを飛ばし、本国だけでなく日本でも絶大な人気を誇る。

レビュー作品

> Welcome to the North > The Music


Welcome To The North

Welcome to the North(2004)

 昂揚感を伴う強烈なグルーヴで話題となった1stから2年ぶりとなる2ndフルアルバム。各地で指摘されている通り、強力な武器でありバンドの代名詞であったグルーヴ感が本作では弱冠薄れている。それにより落ち着き払った音楽になったというか、緩急がついたというべきか大人びた感じになっている。前作に比べるとバラエティに富んだ内容だし、美しいメロディラインや心地よいリズムとなだらかなビートも悪くない。賛否両論の方向性だが、支持している人の気持ちもわかるほどしっかりした内容になっていると思う。#1や#2では嵐の中に身をおいたような昂揚を覚えるし、タフで力強いビートに打ちのめされる#5、前作ばりに踊れる#9も鮮烈なナンバーに仕上がっている。伸びやかで繊細な広がりを見せるミドルチューンの#6やメロディをうまく同居させた#10にしてもなかなか。若さ故の爆発力が圧倒的だった前作はそのパワーを駆使して独自のアプローチを試みていたが、音楽的にかなり洗練された本作は進化を遂げるための準備といってもいいかも。個人的にはあの1stの溢れんばかりのパワーが好きだったため、この方向性の変化を憂いつつも新たな楽しみを覚えた作品ではあった。


The Music

The Music(2002)

 先に発表したEPでも話題を集めていたThe Music(思い切ったバンド名だな)の1stアルバム。踊り狂うことを主眼に置いた激しいグルーヴの嵐は、とてつもない昂揚感を誘う。ダンスミュージックにサイケデリックな要素を混ぜ込んだ激しく、リズミカルなビートは気持ちいいことこの上ない。ブリティッシュで硬質なギターリフも味がよいし、身体が独りでに動き出してしまうような不思議な気持ちよさと脳を麻痺させる中毒性は強烈だ。演奏に関してはそこまで目立った技巧も無いのだが、ここまで一極集中でグルーヴに全てを注ぎ込めるのはバンドの信念といっていいだろう。空に突き抜けるような甲高いヴォーカルにしても異様なテンションで押し迫ってきて、聴く側の気分もハイにさせられてしまう。新進気鋭の若手ながらここまでセンスの良さを見せ付けてくれるのには感心するし、英国誌でも注目の新人の上位で取り上げられたのも納得がいく。#1、#4、#7辺りは極限の創造性を働かせたダンスロック・チューンで音に身を委ねて気持ちよく踊っていたいし、#6のようにやけに憂いの感情を含んだミッド・チューンも心に染みる。竜頭蛇尾のような尻すぼみの全体構成についてはちょっと残念ではあったのだが、バンドの可能性を見せしめる面白い作品であることは間違いない。

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