イタリア・ミラノのインスト・ポストメタル・バンド。2006年から活動を開始し、現在までに4枚のフルアルバムをリリース。2015年3月には4thアルバム『Migration Light』を発表した。
Migration Light(2015)
イタリアがW杯に優勝した2006年から始動した、ミラノのポストメタル・バンドの4thアルバム。弊サイトではおなじみのTokyo Jupiter Recordsの第37弾リリースとして、日本流通している作品だ。とりあえず読みにくいから、バンド名を繋げて表記しないで欲しい(苦笑)。
本作で初聴き。収録は全7曲であるが、3~4分台の曲が半分占めているため、この手の作品にしては36分台で割りと短め。印象としては「Lento 3 : Red Sparowes 7」の割合で混成した感じだろうか。イタリアン・スラッジの破壊力で押し倒す部分はあるが、決してLentoレベルの重轟音で蹂躙するというわけではない。中盤に疾走パートを取り入れた美ヘヴィ・インスト#1「They」みたいな驚き、あるいはRed Sparowesが序盤だけ禁断の重量感を手にしたような#2「Sur」、本作で一番に強烈な#5「I end」といった曲はあるにはある。だが、静から動への爆発力でいうと、個人的には長打がフェンス手前で失速して外野フライ的な物足りなさを覚えるところ。
それよりもアンビエンスなギターやキーボードによるスペーシーな音響、幻想性などを加味してドラマティック仕立て。ポストロック寄りといえば確かにそうなのだが、#4「Sulaco」の後半ではかつてのプログレを感じさせるパートも盛り込み、#6「Wooden Shelter」では冥界へと誘うドローンが機能。その静けさを吹き飛ばすように、悲壮感が轟音とともに降り積もる#7「Primordial Leavers」でラストはガツンと締め。ただ、イタリアン・ポストメタル産業からすると、今一歩というのが個人的な印象として残る。
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