Toro Y Moi ‐‐Review‐‐

サウスキャロイナ出身のチャズ・バンディックによるプロジェクト。アニコレ主催の姉妹レーベル所属しているこの86年生まれの若者は、サイケ・ドリーミーなテクスチャーに大胆にソフトロックを交わらせたサウンドを構築して高い評価を得ている。


Underneath the Pine

Underneath the Pine(2011)

   サウスカロライナ州コロンビア在住の86年生まれの若者チャズ・バンディックによるプロジェクトの2ndアルバム。

 前作ではアニマル・コレクティヴとパッション・ピットの融合とか言われるタイプの音楽で、サイケとエレクトロニカとシンセ・ポップが柔らかく融合を果たした感じが評価されてたみたいだけど、本作を聴く限りではそこからまた形を変えている。一言で表せばトロピカルなソフト・ロックと言えるだろうか。AORにも通ずる様な歌が入り、柔らかなシンセや生楽器の力を活用しながらミステリアスかつポップな音像を作り上げている。その柔らかな音の波が心地よく、清涼感のある歌も心をつっついてくるのが不思議といい感じ。ディスコやヒップホップへの傾倒がみられる遊び感のあるリズム、そして煌びやかなメロディが花を添えることで、人懐っこいポップスとして明解に聴き手に訴えかけるものへとなっているのも良い。

 本作の良心を凝縮したようにメロウな#2はその典型だろう。彼の音楽の形成要素であるAORやソウル/ディスコといったものを前作のサイケ/ドリーミー的感覚に巧く重ね合わせてグラデーションとして表現している。それも幻想性や浮遊感もしっかりと演出する手腕を発揮しており、音はかなり濃厚。でも陽気で親密で聴きやすいという部分は一貫しているのが心憎い。ひとり宅録で作り上げた様な感覚も御愛嬌だが、自らの音楽要素を薄めないで聴かせるといった部分を磨いただろう本作にはそこそこ惹かれました。

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