TTNG(This Town Needs Guns) ‐‐Review‐‐

イギリス・オックスフォード出身のインディ・エモ/マスロック・バンド。

レビュー作品

> 13.0.0.0.0 > Animals > This Town Needs Guns


13.0.0.0.0

13.0.0.0.0(2013)

   Sergent Houseに移籍してのリリースとなる2ndフルアルバム。この期間に大幅なメンバー変更があったようで、新ヴォーカリストとしてHenry Tremainを迎え、トリオ編成になっている。というわけで、メンバーが少なくなったことで変わってしまうんではないか、またパワーダウンしてしまうんではないかと心配されたが、期待を裏切らない内容といえるだろう。

 アルペジオやタッピングを駆使するギターがマジカルな音色を弾き出し、艶やかなヴォーカリゼーションが感傷を誘う。作品全体をビシッとタイトに引き締めるリズム隊もまた良く、複雑な展開をものともせずに突き進む。これまで通りのTTNG節は、随所に効きまくっていて自然とニヤっと笑顔を浮かべる人も多いだろう。3人のアンサンブル勝負の様相は濃くなったが、グロッケンやピアノも時折顔を出すし(かなり少なくなったが)、波の音のサンプリング等も取り入れている。その上で、個人的には歌やメロディの方に重きを置いている印象が本作は強い。それは、前任者よりもナイーヴな歌を聴かせるHenryの存在が大きいかな。アコースティックな優しい唄ものでゆったりと心の内を哀愁で満たしていく#6にはかなり驚かされたしね。さらには、職人技が光るメロディがまた耳に残るし、的確にツボを押さえた曲構成にも感心させれる。Minus The Bearやtoeに通ずる清涼感とエモーションを感じさせる#1「Cat Fantastic」を筆頭に、充実の楽曲が並ぶ本作は前作同様に楽しめる作品だ。

 本作発表後には、”TTNG”への改名を表明。また、国内盤はレーベルカラーにもろジャストの名古屋のグッドレーベルSTIFF SLACKから発売される。


Animals

Animals(2009)

   残響レコードから国内盤が発売された1stフルアルバム。作品名通りに、曲目は全て動物。内容も動物の事を歌っているようだ。

 聴いた感じだと、前作よりテクニカル&マスロック化が進んだ印象はかなり強い。toeやGhosts & Vodka等々がさらにユニークな展開を持ち、エモーショナルな歌声を発するようになったといえるだろうか。USインディー・エモやマスロックから受け継いだサウンドに、英国っぽい情緒をほんのり乗せ、前作同様にホーンやグロッケンやピアノ等を用いた多彩な音色が華やかなインパクトを与えている。なかでも、職人気質のギタリストから放たれるアルペジオやタッピングはユニークな構成を司る上で、重要な核として機能。また、作品に一本の芯を通すヴォーカルは、小奇麗な印象を受けた前作よりも感情を表に発露している感じが強い。蒼い熱気を内に秘めて小気味よく走りながら、裏を取るようにひとひねり加えた展開は他にはない味があるといえるだろう。それでいて失わないポップさ、流麗な叙情性、清涼感。Minus The Bearの1st『Highly Refined Pirates』のUK版正統進化とでも評すべき、実力を示した一枚である。


This Town Needs Guns

This Town Needs Guns(2008)

   UK・オックスフォード出身ということで、Foalsと何かと比較されて大変なThis Town Needs Gunsの1st EPにあたる作品(8曲入り)。キンセラ兄弟の影響化の音色とUKロックやマスロックが混合したような感じで、引き合いに出されるFoalsと共通するようなインディ系要素も含んでいる。流麗なギター・フレーズにエレガントなオルガンや鉄琴等が交わり、ホーンやアコースティック楽器も取り入れて、豊かな曲調を実現。それでいて、ナイーヴな感傷を持つヴォーカルが英国っぽさをちょいと主張し(アメリカのエモっぽさも当然感じるけど)、ダンサブルなリズムも導入していて、ポップに突き進んでいる印象を受ける。モグワイを思わせるノイジーな轟音ギターも出てくるし、モグワイとバトルスとUKロックを上手く掛け合わせた印象の#8はなかなかのインパクトを持つ。だが本作において、それはあくまでスパイスのひとつといった感じ。ユニークな展開と多彩な音色が弾ける#2やじっくりと聴き浸りたい#3を聴いていると、彼等の根幹に丁寧な歌とメロディがあることがわかる。明らかにUSエモやインディに影響を受けた感じだが、こういったバンドがUKから出てきたことの意義は大きいのではないか。そういった期待を寄せたい若手有望株の初作である。

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