Turtle Island ‐‐Review‐‐

愛知県豊田市が車と共に世界に誇れる存在である爆音オーケストラ集団。14人という大所帯が放たれる熱狂的なサウンドと和・祭の風情が混在する果てないトライバルグルーヴは、奇跡的。その爆音を武器に彼等は世界平和を訴えている。


ズナマ

ズナマ(2009)

   愛知県豊田市が車と共に世界に誇る大所帯爆音ハードコアオーケストラ集団TURTLE ISLANDの初のフルアルバム(これまでにはミニアルバムを3枚発表)。内容は新曲6曲に、ライブテイクを5曲収録した11曲入りとなっている。

 あくまでベースとなっているのは重たくて激しいハードコアの爆音。だが、そこに加わっている和の情緒・祭風情が彼等のサウンドを特異で熱狂的なものへと変貌させている。爆音の猛りを篠笛の哀愁の音色やシタールが鮮やかな響きを残し、違和感のない形で融合。ウッドベースとドラムに加えて何台もの和太鼓が加勢する強靭なビートは言わずもがなの破壊力を備え、古謡や方言等を取り入れている歌の訴求力も力強い。このように、どの楽器も鮮やかに息づいているといった印象だ。けれども各パートは自由な立ち振る舞いをしている印象はあれど、火花を散らすようなアンサンブルでもって集散し、規格外のサウンド・超巨大なエネルギーが生みだされている。

 かつて感じたことないほどのトライバルグルーヴの衝撃、胸の導火線に火をつけて思わず踊り跳ねたくなる脅威の躍動感、音に込められた迸る熱さ。この音を耳にしていたら胸や体が熱くなってくるのを抑えるのは無理な話だろうと思う。それでいて日本人の心をくすぐるメロディラインの色めきも十分に耳をひきつける。作品全体に漲っている信念の強さや古~現代を巡るかのようなスケールの大きさも称賛ものだろう。まさに本作を象徴するだろう#6「ズナマ」の衝撃は筆舌しがたいぐらい。そんな作品だけにプレフューズ73のスコット・ヘレンを始めとした外人にも高い評価をもらっていたりするらしい。個人的には、タイプは弱冠違えどneco眠るを聴いた時のように和の風情を強く感じたのだが、neco眠るは現代に根付いた盆踊りダンスビートという印象を受けたのに対して、タートル・アイランドはもっと古来・伝統的な日本の音楽という印象がある。ノイジーで激しい分、神輿かついでお祭り騒ぎというイメージがぴったりかと。

 以前、envyのライブの前座で彼等を初めて見たときの衝撃というのは、忘れ難いぐらいのもので今も胸にその熱さが刻まれているのだが、この5曲のライブ版でもその熱は凝縮されており、先の6曲の新曲とともに彼等の魅力が十二分に伝わる内容といっていいだろう。既にリリース後にはスペイン・バスクで和の喧騒を巻き起こし、タートル・アイランドの存在感を見せ付けてきたらしい。本格的にワールドワイドに活躍する日もそう遠くはないはずだ。彼等の音にはそれだけの気迫と熱が宿っているから。

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