Under Electric Light ‐‐Review‐‐

カナダ・ケベック州モントリオール在住のDanny Provencherによるソロ・ユニット


Waiting For The Rain To Fall

Waiting For The Rain To Fall(2011)

   カナダ・ケベック州モントリオール在住のDanny Provencherによるソロ・ユニットの1stフルアルバム。実は2002年頃から活動しているらしく、EPを数枚リリースしていたそうだがフルアルバムはこれが初となる。”インディ・シューゲイズ大本命”と大々的に宣伝してますが、シューゲ要素はそれほど前面にでていないと始めにいっておこう。

 彼もその要素をインディロックやギターポップにエッセンスとして上手く盛り込んでいる感じで、似たタイプだとRadio Deptなんかが近いと思われる。そんな打ちこみのビートの上に軽やかなギターの音色と清涼感ある歌声が乗る蒼いサウンド。でも爽やかだがどこか物憂げ、不思議と少し鬱っぽい造り。その上で、厚みのあるフィードバックノイズやふわっとしたエレクトロニカの挟み方が練られていて、メロディもノスタルジックで綺麗である。だから耳に入っていきやすいし、心にもすとんと落ちていく。冒頭の甘美なヴェールに包まれる#1から十分に引きつけられると続く#2で一気に胸をときめかせてくれる。けれども中にはPainsとM83が手を取り合った感じに聴こえる曲もあったりするし、もろエレポップ風味の#4があったりするため、単純なシューゲ・ポップとは呼ぶのは失礼かもしれない。

 ただ、完成度が高いと思うのはその方面の曲で、以前からの曲を見事にアップデートした#7「This Moment」は哀愁のギターと軽やかで甘い歌声がソフトに心を突き、轟音をゆるく被せていく辺りにも意識が傾く。可愛らしいエレクトロニカと轟音シューゲが馴れ合う#9もまた佳曲である。そんな吟味に吟味を重ねた納得の9曲が収められていて、完成度は確かに高くて30分ちょいだがこれ系が好きな人は十分楽しめる良い作品だと感じた。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でGrumble Monsterをフォローしよう!

スポンサーリンク


▼ フォローする