of decay and sublime ‐‐Review‐‐

関西を拠点に活動するポストロック・プロジェクト。バンドの頭脳である浮田貴大を核として、アンプの要塞から放たれる轟音にエレクトロニカ、ブレイクビーツ等を交えたサウンドを武器に特異な存在感を放っている。毎度、コアなラインナップが揃う「MINUS」という自主イベントも企画・開催している。以前はboneville occidentという名義だったが、2015年からof decay and sublimeに名義を改めて再出発。


boneville0911

boneville will never die, but you will.(2013)

 2013年9月11日に難波rocketsで行われた活動再開記念公演の模様をパッケージしたライヴ作品。9月16日から1週間限定で無料DLできたものである。タイトルは、Mogwaiの7thアルバム『Hardcore Will Never Die, But You Will』から。ワン・トラックで約28分という構成になっているが、当日に演奏したのは2曲らしい(10/5のライヴで本人に確認)。また、ライヴは日によって構成が大きく変わるそうだが、この日はツインギターにベース、ドラムという4人編成で挑んでおり、アンプの要塞から放たれる轟音がシネマティックな世界を創り上げている。

 活動再開を記念してとのこともあり、彼等の本領が十分に発揮されたステージであるといえるだろう。緊張感の走る静かな序盤から、儀式的に鈍重リフが幾つも幾つも積み重ねられ、そこに悲壮感たっぷりのストリングスと美麗なギターが交錯。細部まで手の込んだエレクトロニクスの交配も見事に行われている。そして、溜めに溜めたところで噴出する轟音。もはや強力以外の何物でもなく、脅威の音圧で空間のあらゆるものを震動させる。10分半すぎには、意表を突くようなスリリングな展開もあって、激動は続く。

 2曲目に演奏された「correia」なんて、うっとりとするようなドラマ性が押し出されると同時に、昇天の儀の如き轟音の濁流が押し迫る。暗闇から光へと劇的に転調する楽曲は、バンド編成だからこそのダイナミズムが強く発揮されていて、重奏による音渦に飲み込まれる事が必至だ。終始、ダークで退廃的な雰囲気を保っている中で、クライマックスを迎えた時の恍惚感もまた想像以上である。

 個人的には先のMilankuの来日ツアー大阪公演にて、実際にほぼ同じセットを体感したが、ぞくっと戦慄が走ることもあってインパクトは非常に大きかった。現在は、1stアルバムを鋭意制作中とのことで期待してリリースを待ちたい。


ndali  lbess  lymne

Ndali / Lbess / lymne(2012~2013)

 関西の轟音系バンドとして、じわじわと知名度をあげているプロジェクト。こちらは、残響ショップでのUSBデータ販売のみであったEPをポストカードにDLコードを記載して発売したもの。2012年11月から2013年6月にかけて発表した『Ndali』『Lbess』『lymne』の3作品がリリースされていて、公式サイトで購入が可能である。

 聴き手を捩じ伏せる重厚なギターと破壊的なブレイクビーツの組み合わせによる、深層を貫く轟音巡礼。リスペクトしているというSUNN O)))、Godspeed You! Black Emperor、65daysofstatic等に影響を受けながらも、新世代のバンドとして育まれた彼等のサウンドは、儚い情感や退廃的な美を表現しながらも鋭角な攻撃性、華々しい炸裂感を同居させている。さらに巧みに織り込まれる流麗なアコースティック・ギター、厳粛なストリングスはもの悲しさを助長し、痛快なデジタルビートは強い躍動感を加味。ポストロックといえば確かにそうだが、ここまでの鮮やかな美しさと抜群の破壊力は、非常にクレバーな構成の賜物のようにも感じさせる。

 特にこの中では、『Lbess』に収録されている10分超の「correia」が印象的。シリアスで物悲しい雰囲気に流していくストリングスの響きから、胸を打つ美麗ギターを中心にドラマティックに織り上げられていく。まるでGY!BEを思わせるほどにストーリー性豊かに、また大らかな広がりを見せながらクライマックスに駆け上がっていく様は圧巻。彼等の中でも屈指の轟音ファンタジーを繰り広げる楽曲に仕上がっている。この後にリリースされた現段階で最新の音源となる『lymne』で聴ける2曲では、電子音が主導権を得た形で、65daysofstaticっぽい感触が強く押し出されている点もおもしろい。

 音楽的興奮と刺激を約束する彼等の壮大なる序章は、BandcampSoundCloud等で確かめる事ができる。これからの飛躍を強く予感させる彼等を是非ともチェックして欲しいところだ。

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