Ulcerate ‐‐Review‐‐

ニュージーランドのブルータル・デスメタル・バンド。現在までに3枚のアルバムをリリース。


Destroyers of All

The Destroyer of All(2011)

   ニュージーランドのブルータル・デスメタル・バンド、Ulcerateの2年ぶりとなる3rdアルバム。過去作は全て未聴だが、#1『Burning Skies』を聴いただけでも相当エグい。痛烈なブラストビートの炸裂を始め、ヘヴィなスロウパートまで不規則な緩急をものともしないドラムを操縦役にして、脳髄に歪みをもたらすような分厚いリフとデスヴォイスが不気味に連なっていき、余りの騒々しさとどす黒い煙が世界を覆う。実に緻密複雑な構成のもとで練り上げられていて、まるで先の読めない凶悪な展開に驚かされる。

 ただ、メロディに寄りそうことはほとんどなく、スリリングな緊張感と殺伐さが楽曲を支配。グッと速度を落とした所で然るべき闇にたたき落とし、そこからまた騒々しく刺々しいリフとリズムが忙しなく炸裂してくところもエグく、強引すぎるテンポチェンジのもとで堂々と暴発していく攻撃的なサウンドの印象は大きいはず。剣山で小刻みに突き、重たい鉈の一撃をここぞで振り下ろすコンビネーションが冴えに冴えている。とはいえ、ブルデスであってブルデスであらずな個性が彼等の特徴。#6「Omens」ではISISのようなポストメタルな雰囲気も醸し出しているし、全体的にもNeurosisが目指す闇の向こう側を探ろうとしている感覚を忍ばせているように感じる。

 漆黒の炎を撒き散らしながら各楽器陣が複雑に絡み合う怒涛のサウンドは、無慈悲であるが前衛的であろうとする姿勢が強い。お得意のツーバスと凶悪なリフの構成を軸としながらも、不穏なオーラが発せられている#2や#7辺りを聴くと独自性が強いなあと個人的には感じた。そんな本作は、文句ない殺傷力と禍々しい闇を併せ持った1枚であると確信している。

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